シンガポール・レポート by 高松直昭さん - シンガポール - 2002年10月03日(木) 高松直昭さんという方が、シンガポールのクラブチーム、 クレメンティ・カルサにサッカー留学したということで、 現地レポートを本サイトのBBSに書き込んで下さいま した。 あのBBSはしょっちゅう潰れる上に、僕の様な文系サ ッカーファンにはわからない、貴重な情報が詰まっていた 為、こちらの日記に一部文章および構成を改変・修正した ものを載せさせて頂きます。 以下、高松さんのシンガポール・レポートです。 --------------------------------------------------- ■プレイスタイル やってみた印象は、かってイギリス支配されたなごりか、 フォーメーションとポンジョン別、戦術を重視している。 そのせいか、個人技を得意とするシンガポール人はそれ ほど多くなかった。 そのため助っ人外国人に個人技を披露させている感じ。 また、FWにも頼っている。 それでもシンガポール人はプロを心構えているようで、 苦手なプレーが見当たらないほど何でもできるが、質が 高いとは感じなかった。 試合を観ると、よくサイドチェンジを多用しているのが 目立ち、選手はあまり広く動かないで流動的にパスを流 す。 これはクラブ練習で私が無謀に動き回ると肺が重く、疲 れの回復が遅かったことからも、選手が動かない理由が 納得出来た点だった。 (シンガポールは、洗濯物をなかなか乾かせない ほど湿度が極めて高い。) 隣のマレーシアスタイルは血がぶっ飛ぶような削りあい がひどかった。フィジカル面が強力そうだが、ボールさ ばきはどうなるかな? タイは足元にボールさばきがうまいと聞く。ということ は個人技が長けているわけだ。 ■レベルと規模 気になるシンガポールリーグのレベルは、日本で言えば JFLぐらいだと在シンガポール日本人選手が言ってい た。 しかし、運営面のほうはJリーグに負けないぐらい規模 が大きいものであった。 確かにその背景は、シンガポールという国は貿易で賄っ ていて、今や世界的経済先進国になっているという点が 上げられる。 国全土に見回ってもホームレスも犯罪が一人にも見たこ とがないほどきれいで、どんな人種でも生活が安定して いる。 それにともなって助っ人外国人の待遇がすごく良いと聞 いている。 だからシンガポール市民権を得ようとしている外国人が 出てくるとは納得する。 ■サッカー事情 冒頭にイギリスの影響をひいていると述べたが、マンチ ェスターユナイデットの色がシンガポール全土に染めて いる。 テレビにもサッカー番組はプレミアリーグばっかり映っ ている。 そこでシンガポールリーグ番組はぜいぜい試合結果かハ イライトぐらい。テレビ観戦するより試合を観に行く人 が多いかな? シンガポール人にとって安いと思うが、試合観戦チケッ トは大人10S$(シンガポールドル)、日本円に換算する と700円、子供は3S$。だからまあまあ混み合う。 といっても試合を見に行く人の8割は、賭けサッカー目 当て、2割はまともにチームを応援する人だ。 ■シンガポールリーグの日本人選手 ジュロンFCに入った松永選手は、開幕前に解雇されてプ ロフェソール宮崎でやっている? 同じく前田選手もシンガポールでチームを探したが、日 本(プロフェソール宮崎)でやることを選んだ。 伊藤 壇選手はウッドランドFCから解雇されてオースト ラリアでプレーして11月からベトナムリーグに移籍予定。 下野 滋基選手はタンジョンパーガ−FCに属したが、会 ったときは解雇された後で、チーム探し中であった。 中村 晃選手はセンバワング ランゲ−FCで活動。 田中 洋明選手は強豪のホームユナイテッドFCににて活動。 そして、クレメンティ.カルサに残っている選手は上原 岳大選手、佐藤 太一選手。 岩田選手は私が到着直前、すでに解雇され帰国。ヴァン フォーレ甲府に内定したが今は? ■シンガポールリーグのシステム 私がいた時は降格システムはなかったが、シンガポール リーグの下に、ディビジョン1が存在している。ナショ ナルフットボールリーグ(NFL)とも呼ばれている。 さらに下はディビジョン2があるが、アマチュアという ことで外国人がプレーすることはできない。 ディビジョン1の外国人枠は3人(年齢制限無し)。 シンガポールリーグの外国人枠は4人。ただしそのうち 1人は23歳以下でなくてはならない。そのため、ピチ ピチした若い選手を獲得に乗り出している。 ディビジョン1の各チームのほどんとがシンガポールリ ーグの各チームに所属されて半分独立している。 例えば、クレメンティ.カルサに属しているクレメンティ ・カルサ・ローバーFCというチームがある。 入っている日本人選手は南 洋介選手だけ。彼はディビ ジョン1の得点ランキング一位(私がシンガポールにい た間)にとどまっていた。 降格システムが導入される場合、シンガポールリーグか らディビジョン1への降格の事だと思われる。 ■ちょっと不思議な体験 クレメンティ・カルサの創立者と会見する機会があった。 視線を合わせないで遠め全体に見流しながら、悟りを開い た予言者のような話し方をしていたが、ふと私の肩をふわ ーりと叩いた。 その瞬間、その創立者の存在が”無”になった!?と思った。 我にかえると、彼が話し終るところだった。 だいだいのインド人は日本でよく見かける人物像だが、 彼はどうも稀なインド人だと思った。 そう感じた日本人選手がいるかな?私だけかな? --------------------------------------------------- 許可を頂いた高松さんに、この場を借りてお礼申し上げます。 ...
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