長かった髪を切ったら、頭が軽くなった。
アホになったわけではない。
春休みになると、なんか誰かがクラス会とか思いつくらしい。
てなわけで明日は元35HR(三年五組のこと)の集まりが決行される。
そういえば去年も、こんなふうにだらだら〜っと集められたなあ。
わりと仲のよい男・たくろーは、去年の集まりで、
「俺のグレイシー柔術を受けてみろ!」
とか言いつつふにゃふにゃへなちょこに動いたもんである。
そこで「足元がおるすだぜ!」とか言って、
奴の足首にインサイドキックをかました。
「いてー」たくろー、楽しそう。
その後は艦長(あだ名)と共に、お互いの隙をついて、
さっき食べたアメのゴミをカバンとかに押しつけ合う、
エコロジーファイトを繰り広げた。
以下略。
ま、そういうかんじだから、今回もわりと、なんも無いだろうね。
ところで、その時たくろーは、
クラスメイトのしゃれた美女に告白していたのである。
身のほどわきまえない暴挙だった。
それを知ったのは半年後で、同じくクラスメイトの子が、
メールでこう言ってきたのだ。
「相変わらず仲良かったよ」
へえ〜。 ……って、あいかわらず?!
なんやねんそれは!!
メールなのでそのままその子につっこんだりもできない。
こ……この苛立ち……これが青春? (違う)
しかしただのぼんくら、たくろーが、
まさか彼女を射止めるとは……。くそう。世の中どうなってんだ!
でもべつに、私がその美女に惚れていたとか言う、
昼メロみたいにフクザツな裏設定はない。
とにかく、たくろーは配下の者だったのに、生意気極まりない展開である。
そんなわけで、今回はたくろーと美女のその後を確認しにいこうと思います。