ビー玉日記
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2005年04月27日(水)  沙羅双樹の花の色

人間の一生なんて儚いものだと知っているし、東京にいつ大地震がやってくるかわからない状況だし、ある程度次の瞬間にも自分の命が終わることはありえることだという覚悟はしているつもりではある。
それでも。
朝、自分が乗っている通勤電車が線路の外に飛び出して建物目指して飛び込んでいくなんてことが起こるのだ、と思うと恐ろしい。

飛行機の場合は誰が乗っているのかはほとんど確実にわかるけれど、電車やバスに誰が乗っているのかを特定することは難しい。
レスキュー隊員が救出に入った時、重なり合って倒れている犠牲者の他に、たくさんの携帯電話が鳴ったり光ったりしていたらしい。
もしも東京でこんな事故が起きたら、まったく私の身には関係ない事故だったとしても、両親は連絡がつくまで電話をかけるだろうし、私がたまたま電波の届かないところにいたり携帯をもっていなかったり、何らかの事情で応じなかったら死ぬほど心配するだろう。
逆に私も自分の大切な人が巻き込まれたかもしれないと思ったらきっと連絡がとれるまで落ち着かない気分になる。
亡くなった方々の周りで携帯電話だけが光っている。
なんて悲しい光景だろう。

大切なのは誰かを責めることではなく、100名以上の犠牲を無駄にしないこと。
二度と同じことを繰り返さないこと。
いってきます、と笑って出て行った人が、必ず無事帰って一緒にごはんを食べられるように。
電車だけじゃない。他の業界だって、同じ。
不況が続いて利益やコスト削減を追求した結果、安全とか健康とか品質とか、本来一番大切なはずのものを無視することになってしまった。
そのことを思い出さなくては。


尼崎脱線事故で亡くなった方のご冥福をお祈りします。


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