ビー玉日記
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2004年10月08日(金)  夜更かしの会話

残業した後、友人と会う。
彼女の会社はご近所なので、ほとんど深夜近くからウチの近くで飲んで、そのままウチでしゃべって力尽きて寝た。
何をそんなにしゃべることがあったかなと後から考えると、実は記憶にとどめるほどの話でもなかったが、いつもそんなもんか。

いよいよこの年末に会社を辞めることが決まったそうだ。
考えてみれば、私の友人には新卒で採用されてから同じ会社でそのまま頑張ってる人って結構少ない。
3年半で息切れした私に比べて、彼女はよく頑張ったものだと尊敬する。
彼女に去年退職を相談された時は、辞める理由が会社の体質が変わらないことに対する不満だけだったので、続けておいてもいいんじゃないか、と辞めることは薦めなかった。
今回は会社に愛想が尽きた様子で、辞表も受理されてからの報告だった。
辞めることに迷いがなかったから相談も必要なかったんだろう。

会社なんて、所詮上の人たちのものであって、下っ端の私たちの思うようには変わらないものだ。
「本当はこういう風にあるべきだ」とか「こういう風に変わらなきゃこの先生き残っていけないだろう」と私たちがいくら思ったところで、その通りになることなんてほとんどない。
これは私が一番最初の会社で思い知ったこと。
とても小さい会社で、随分とやりたいようにやらせてもらえたけど、やっぱり会社の核となる部分には触れられることはなかった。
そのアンタッチャブルな領域に手を伸ばせば、さりげなく拒絶されていた。

「長いものに巻かれろ」とはその会社の役員に言われた言葉だ。
要するに「上の人にこうしろと言われたら、黙って聞いておいたほうがいい」という人生訓のようなアドバイスだったが、これは日本の会社の特性そのものを表した言葉だと思う。
小さな会社でも、大企業でも、同じ。
自分が思うとおりの会社で働きたいのなら、自分が社長になるしかないのだ。

去年会社を辞めると言った彼女に、会社なんて変わると思わない方がいい、と私は言った。
結果的にかえってこっちのストレスが溜まるだけだから。
私は今の会社で3社目だけど、どの会社も同じ。
誰もが、愚痴は言うけど会社が変わるなんて思ってない。
(今の会社はようやく「変わっていかなきゃ」っていう方向に向かいだしているけど)
大人になるって、あきらめることなのか。妥協することなのか。
今では私は「自分の会社じゃないんだからしょうがないか。ま、いいんじゃないの」と思うようになって、その考え方が言葉や態度に出ることがあり、上司に逆に「他人事みたいに言う」って嫌な顔をされることがある。
それだけ私たちの世代と上の世代とでは会社に対する考え方や思い入れが違うんだから、しっかりしないと私より下の世代はもっとシビアだよ、と内心思っている。
下の世代で愛社精神なんてもっている人はまれだろう。
だって就職氷河期やリストラ、年功序列やら年金やらあらゆる制度の崩壊を身をもって体験したり見たり聞いたりしてるんだから。
信用できるのは会社ではなく、己の身のみ、だ。
ダメだと思ったら、会社なんかさっさと見切りをつける。

少し変えるだけでいい方向にいくのにな、って残念に思っている平社員の話にきちんと耳を傾けられる役員のいる会社はないものなのか。
経営する側にとったら「こっちの苦労も知らずに好き勝手いいやがって」って感じだろうけど、聞くだけ聞いても損はないと思うけどなあ。
どの会社でも、できる社員ほどそんなことでモチベーションが下げてるんじゃないのかな、と彼女の話を聞きながらちょっともったいなく思った。
私みたいにすっぱり割り切る人間を増やす前に、こういう熱意ある人たちを大切にしてあげたらいいのに。


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