ビー玉日記
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2004年05月24日(月)  シンドラーのリスト 感想完結編

ようやく「シンドラーズ・リスト」読了。
長かった。久々に長いものを読んだ。

いろいろと書いたけど↓
2004年04月26日(月) シンドラーのリスト
2004年04月27日(火) シンドラーのリスト 感想メモ
2004年05月20日(木) 人間の強さと弱さと
映画だけではわからなかった面がいろいろと見えて興味深かった。
映画はとてもよくできている。
原作とまったく違う映画、というものはありがちだけど、よくもこれだけ原作のエッセンスを取り込んで作ったなあ、と思う。
そうは言っても、やっぱり限られた時間の中ではわからないこともある。

オスカー・シンドラーは、実業家だった。
戦争という非常事態を利用して一山当てようと目論んだちょっとずるいところのある実業家。
賄賂やでたらめな契約が通用するような、あの時代でなければ彼の事業の成功はなかった。
実際、戦後に彼が起こした実業は成功することがなかった。

シンドラーは、普通の人間だった。
とりたてて宗教に傾倒したり、人道主義者だったりしたわけではない。
自分の欲求に忠実な、一人の人間。
なぜ彼がユダヤ人にとってヒーローになったのかというと、彼はあの時代にあっても自分自身を見失わず、自分の信念を貫いたからだ。
彼は、人間としてのプライド、ドイツ人としてのプライドを守り続けた。
一歩間違えれば彼自身も投獄され(実際に何度か逮捕されている)、全てを失うかもしれなかった。
それでも一人でも多くのユダヤ人を救おうとしたのは、彼にとってナチスという巨大な組織への挑戦でもあり、一か八かのギャンブルだった。
たぶんシンドラーという人は、自分が危ない橋を渡っているのを知りながら、それを楽しみ、好んでやっていたのだと思う。

どんな時でも自分の信じることを守るって、ものすごくかっこいいけど、難しいことだ。

この本ではシンドラーだけでなく、ユダヤ人やナチスの親衛隊のことも多く描かれている。
いろいろ考えたことはあるけど、どんな人でも、環境や状況が変わるとどんな行動をとるかわからないなと思う。
いつもはとてもやさしくて思いやりのある人でも、自分や家族の生死が脅かされるとイジワルでずるい人になることができる。
普段は頑固な私も、そういう時に頑固じゃない自分になったりするんだろうか。


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