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 Good Grief/Lolly Winston

『Good Grief』/Lolly Winston (著)
Perfect: 399ページ
出版社: Hachette Book Group USA (2004/11)
ASIN: 044661596X

From Publishers Weekly
「悲しみはもう動きだしている。悲しみは早起きで、べたつく両腕を私の首に巻きつけ、熱くて臭い息を私の耳に吹きかけながら待っている」。ソフィー・スタントンは、未亡人になるにはあまりに若すぎると感じている。結婚後わずか3年で、最愛の夫イーサンを癌で亡くしてしまったのだ。彼女の苦しみも知らずに世界は回り続ける。彼女にとって唯一賢明と思える行動は、家に閉じこもり、真夜中に人目を忍んでコンビニへ行き、そこで買えるものだけで生活することだった。何もかもがつらい。イーサンにかかってくる勧誘の電話、イーサン宛の手紙、いまもイーサンの匂いがするシャツ。初めのうちは優しく憂いに沈んだ「良い」未亡人のソフィーだが、ある日ガレージの扉を車で突き破ってしまい、それから何かプツンと切れる。バスローブ姿で職場に現れたり、店のディスプレイの下に隠れたり…。上司に休みを取るよう勧められた彼女は、家を売却し、親友ルースと暮らしながら再出発するためにオレゴン州アッシュランドに移り住む。悲しみも彼女についてくる。しかし、ボランティア仲介所から放火癖のある10代の問題児の世話を任されたり、魅力的な男優につきまとわれたり、地元のレストランでデザート作りの仕事を始めたことで、ソフィーはこれまで自分に取り付いて離れなかった苦悩について深く考えざるを得なくなる。喪失を悲しくも見事に描いた作品。著者ウィンストンが前編にわたってヒロインと物語に染み込ませた優美さ、ほろ苦いユーモア、鮮烈な迫真性は、読む者の心をがっちりとつかんで放さない。ソフィーはひどく傷ついてはいるが、ひょうきんで、新鮮で、じつに説得力がある。一瞬たりとも陳腐なところがない、ウィンストンのすばらしいデビュー作。


以前読み始めて、途中でやめていたローリー・ウィンストンの『Good Grief』をやっと読み終えた。夫が癌で亡くなった若い未亡人が、絶望の淵から立ち直っていくという話なんだけど、こういうのを良かった!いい話だ!と評さないといけないんだろうなあ・・・とか思いつつ、でもやっぱり最初に読み続けられなかった、面白くない要因はあるよねと思う。

特にユーモアの感覚がずれていたりすると、たぶん作者がここは笑ってくださいよと思っているところで、変に気の毒になってしまったりする。若くして夫に死なれた未亡人という設定自体が気の毒なわけだから、本当に気の毒な部分は他にたくさんあるし、そうでない部分まで気の毒になってしまうと、なんとも・・・。

大事な人がいなくなった喪失感は、相手が夫であろうが親であろうが、友達であろうが恋人であろうが、どれほどのものだろう。どれほどの悲しみ、苦しみを味わうだろうか。それを克服して立ち直るまでに、いかに大きなパワーを必要とするだろうかと思う。

それはそれで共感できる部分はたくさんある。思わず涙が浮かんでしまう部分もあった。それでも、これが面白い本だと言い切れないのは、主人公そのものにあまり魅力がないせいか?そのあたりは個人の好みもあるから、良いとか悪いとかは言えないのだが。

同じなりふり構わずでも、かっこいい主人公とかっこ良くない主人公とがいる。それがどういうわけでか定義などは一切ないし、読んだほうの感覚としか言えない。実生活では、私自身は間違いなくかっこ良くないほうの部類になるだろうが、せめてフィクションの中では、かっこいい主人公と向き合いたいと思うのだ。

2006年10月13日(金)
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