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■ 10月はたそがれの国/レイ・ブラッドベリ
原題:The October Country
ポオの衣鉢を継ぐ幻想文学の第一人者と言われるブラッドベリらしい、クリーピーな19篇。
タイトルに10月とあるように、万聖節前夜(ハロウィーン)を扱ったものが多い。そして、全てのテーマは「死」である。怪奇と幻想にあふれた短編集なのだが、その流麗で詩的な文章ゆえに、怖いだけではない、何か不思議な気分にさせられる。
あえて比べるとすれば、形式として星新一のショート・ショートに近い。最後にちゃんとオチが用意されている。つまり、ひとつひとつの物語の起承転結がはっきりしており、退屈しない短編集。でも、ぞっとする話もいくつかあって、まさに死者の集まるハロウィーンにふさわしいものだ。
2001年10月06日(土)
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