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 豚が飛んだら/ロビン・シスマン

プロポーズされるかと期待して出かけたレストランで、フレイアは恋人に別れを切り出されてしまう。愛も家もなくして、行き場のなくなったフレイアは、10年来の友達、ジャックのもとに向かった。かくして二人の同棲生活が始まる…。

ニューヨークを舞台に繰り広げられるラブ・ロマンス。35歳のキャリア・ウーマンのフレイアは、いつでも前向きだが、ちょっとばかりプライドが高い。もちろん結婚はとってもしたいのだが、誰でもいいというわけではない。一方、異母妹のタッシュは、お金持ちと結婚することが目的。そんなタッシュの結婚式に出席するため、イギリスの実家に帰らなければならなくなったフレイアは、ジャックに婚約者のふりをして、一緒に行ってもらうことになる。そこで起こる数々の事件。フレイアの心はずたずたになる。

以前、シスマンの『Perfect Stranger』を読んだが、それもやはりバリバリのキャリア・ウーマンが恋人を見つける話で、とても面白かった。しかし本作は、さらにパワーアップしている。最初からアップテンポで、話はどんどん進んでいき、クライマックスは途中で絶対やめられないほどの盛り上がりを見せる。そこがシスマンの最も得意な部分なのだが。シスマンの話は必ずハッピーエンドで、そういう話も時にはほっとするものだ。

それにしても、シスマンの描く女性は、皆強くて前向きで、魅力的である。自分もこうありたいと憧れてしまうような女性たちばかりだ。しかしこの話の中にある、「男女間の友情は成り立つか?」という問題に関しては、シスマンは否定的だと思う。この物語でも、表面上フレイアとジャックは友達としてつきあっていたが、最初からジャックはフレイアを好きだったのだ。この話の場合は、友情(と思っていたもの)が恋愛に変わって、めでたしとなるのだが、反対の結果もあり得るだろう。つまり、どちらか一方でも相手を異性として見た場合、真の友情は成り立たなくなる。だが、どこかにそんな友情があることを信じたい。


2001年07月04日(水)
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