ほうじ茶飲話【JOYWOW】
2006年10月28日(土)
私的回想/出家編 Ver.5
記憶があいまい、ということでもうひとつ出来事を思いだした。
NYに旅立つ前、古くからの友人から連絡をもらった。 出発前に飲み会をするからおいでよという誘い。
その頃都内に住んでいたので、一時間以上かかる場所だったが 旅立つ前にみんなに会いたい、そんな気持ちで当日を迎えた。
でも、指定されたその店には誰もいなかった。
日時を間違えたのか、場所を間違えたのか。 そんなはずはないけれど、いつまでたっても誰も来ない。 友人に電話をしてもご家族が「留守です」というばかり。 その頃は携帯も普及しておらず、一時間待って帰った。
もちろん、彼女から連絡が来ることもなかった。 簡潔に言えば、飲み会ははなから予定されておらず 彼女は私に意地悪がしたかったということ。
ところが。
こんな痛い初体験なのに、直後、普通あるでしょという痛みも ダメージもなく、数年間思い出しもしなかった。 というか、理解しようとしていなかったのだ。
はめられた事実を呼び起こす=彼女の思いを理解したのは それから5年後のこと。
NYで自分探しを続け、そのステージがずいぶん終わりに 近づいた頃、突然、思い出した。
私はずっと傷ついていた。そして旧友の心、引き起こされた事実、 これらを理解することを、長い間、私自身が拒否していたのだ。
人間の記憶システムはまったくよく出来ている。
これらを思い出してから、その事実を「過去」にするために それから数年を要した。
彼女と私は古くからの知り合いではあったが、よく会う仲良し ではなかったし、公私共に一切の利害関係はなかった。
だから、なぜ彼女にそうされなければならなかったのか、 私の何が彼女をそうさせたのか、本当にわからなかった。 ただ、私にとっては当たり前でも、彼女を追い込む言動に 繋がることであったかもしれないことには思い至った。
人の心をけしてないがしろにしてはいけない 自分の言動に責任を持つ 私は、そんなことをえらく長い時間をかけて学んだ。
その後、彼女とこの件について話し合ったことはない。 私にとっては終わったことなので、彼女とも普通に会える。
でも、もしかしたら彼女の記憶では、 この事実が「なかったこと」になっているのかもしれない。
それはそれで仕方がないことなんだよな、と 大人になった今の私には理解できる。
人にはそれぞれのペースがある。 大事なのは、そのペースを無視しないということ。 時間がかかってもいい、いつか理解できたらそれでよし! 出来なくてもそれもあり、ってことなんだ。
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