ほうじ茶飲話【JOYWOW】
2005年11月07日(月)
千両と小菊
昨日降り続いた雨のおかげで庭がしっとりじめって、 昼過ぎにはミミズの掘った土の山がいくつも出来ていた。 庭先でそんな観賞をしていたら、庭向かいの(かなり高齢な)お隣さんに声をかけられた。「これ、たくさん実がなったから少しだけれど」 と千両の大きな枝束をわけてくださった。 「ありがとうございます、仏さんに供えさせて頂きます」と柵越しにありがたく頂戴した。そこから、この話は始まる。
お隣「あら、仏さんいらっしゃるの?」 私「ええ、私と家人、それぞれの母がもう亡くなっていますので」 お隣「おかあさん?お二人とも?あらぁ、そうなの。じゃ、お墓の管理は?」 私「やってます」 お隣「自分たちで管理してるの?」 私「そうなんです」 お隣「あら、そうなのぉ〜。じゃ、ちょっと待って」 と、庭先に咲いている小菊を何枝か切って束ねてくれた。 お隣「たくさんあるからさ、いいからこれも持って行きなさいよね」
お向かいのお隣と、こんなに長い会話を交わしたことはこれまでない。頂き物をしたこともない。察するに、あまり家にいない隣人である私たちを「今時の洋風な若いもん」だと思っていたのに、墓守をしていると知り感動していただいたらしい。きっとお隣さんも墓守問題で思うところがあるんだろう。
親兄弟、親族で墓参や管理を引き継いでいく概念は時代とともに薄くなっている。お隣さんの気持ちの動きはわかる。
まだ月命日まで間があったが、急ぎ千両と小菊の束を携えて墓へ向かう。母たちも生きている時分には、こんなことを考えていた頃があるんだろうな。
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