夜が寝苦しい。
ねずみがガサゴソ動いているのと 同じく徹夜で仕事をするオットが ガサゴソする気配と 満月が近いからか 体調がどうも落ちつかぬ。
父の見舞いに金沢に滞在する夢を見た。
夢では 父も母もみんな 同じだだっ広い部屋で 過ごしていた。
わたしも 同じ部屋にベッドがあって 夜はみんな その同じ部屋で寝る。
夢の中では 3月19日に島に戻る予定だったので それまでに どこかで懐かしい友人に 連絡をとって会いたいな と考えていた。
ふと 父のベッドの方をみる。
父は12月から 口で物が食べられず 点滴で生きているので 痩せ細って 小さな身体になっている。
長く喋ることも 身体を動かすことも できなくなっているが 意識はある。
こちらの世界よりも 向こうの世界で 生きることが 多くなっているのが 見てとれる。
いま お父さん こっちにいる。 しっかり 喋れるかも。
と思う。
そう思った途端 小さな父の乗ったベッドが ひょろひょろと2、3メートル動いたと思ったら 横に倒れてしまった。
おとう!
わたしが叫ぶ。
おかあー
ベッドが動きだした時 父が声を出した。 横にいた母が目覚める。
わたしは 父にかけよって ベッドごと 軽い父を起こした。
父は目を大きく開けていた。
小さな身体で 今の衝撃は大丈夫だったんだろうかと 心配になる。
おかあさん。 いま、見てたよ。 ベッドが勝手に動いたの みてたよ。 おかあって呼んだね。
わたしは 母に言った。
そして 目が覚めた。
夢の中で 父は母を呼んだ。
現実でも 弱くなってからの父は おかあ、おかあ、と 母を呼んでいた。
長く連れ添った ふたりのつながりは 大きい。
いまは コロナウィルスの影響で 父の病院は早々に 母ですら 面会禁止になっている。
この地球の世界で 一緒にいられる時間が 残り少ない 父と母のことを想うと せつない気持ちになる。
夢の中で ベッドが倒れたが 父は大丈夫だろうか。
きょうは 母に連絡してみよう。
島にいると なかなか会いに行けないので 夢の中で会う方法が いちばん近いのだが。
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