夢の中では 父は元気だった。 起きあがって話すことができた。
でも 医者にはもう長くないと 言われているのは 現実と同じだった。
母はやつれていた。 これまで ずっと一緒にいた父が いなくなるということを わかって かたくなになっているのか。
ひとりの世界で閉じていて 外からどう触れようにも その世界に居続けるのだった。
わたしは とても距離の遠い 娘だった。
親子って こんなに遠いものだったのか 縁が薄いものだったのか わかった。
と完結していて 悲しかった。
目が覚めて わたしは 悲しいんだな と思った。
寂しくて 悲しいんだなって。
こういう時は 空が味方。
星空の向こうまで 蟹に連れていってもらおう。
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