職場がらみで十三で飲む。
医者に “あんたは急性胃腸炎なんだから お酒はのんではだめですよ。 膵臓もきをつけなくちゃいけないから。 お酒はのんではだめですよ。” と言われた数時間後には 日本酒をぐびぐびやっていた。
おお! 久保田ですか! いただきます! ヘエヘエ。 うまいっす!
とかいいながら 調子がよい。
このまま お腹が回復するか いっそう悪化するかは 今夜が勝負である。
十三は わたしが初めて ライブハウスというものに でた場所なのだ。
当時メンバーと待ち合わせをした場所。 御飯をたべにいった場所。 酔っぱらってうずくまった場所。
数年ぶりに行って 記憶がよみがえってきた。
わたしは ライブ前おちつかなくて ふらふらと十三の町を あるきまわっていたのだった。
なんにも確かなものはなくって なにか確かなものをさがして あるきまわっていたのだった。
結局なにも みつからないのであった。
そんないきどまり感の中に ちょっとした 希望が自分胸の中にあって、 それだけがたよりなのだった。
そんな記憶がよみがえってきた。
きょうは まったく別の立場で十三にいって わたしだって 少しはおちつきがでたものだと 感心したのであった。
|