へそおもい

2004年09月29日(水) 恋のおもいで

仕事帰り。
職場の人に家の近くまで送ってもらったのだが。
車の中で流れていた曲がなんとも
なつかしい曲だった。

中学生時代に好きだった人が
カラオケで歌っていた曲だったのだ。

せつない恋のおもひでが
蘇ってしまったではないか!

わたしは中学生の頃、
とてもシャイで奥手な奴だったので、
好きな人がいても
誰にもいわなかった。

もちろん
好きな人とは
まともに話しもできないタチである。

3年間ずーっと
好きだった人がいたのだけれど、
中学時代は
誰にも秘密にしていた。

高校生になって、
彼と高校がはなれて、
やっと、
親しい女友達に
うちあけることができたのだ。

ある時、
彼が入院しているらしいという情報を
友だちが仕入れてきて、
お見舞いしたら?とすすめられた。

わたしも高校生だし、
女の子らしいこともまともにしたことないし、
いっちょ勇気だしてやってみるか!
と決心した。

お見舞いの前夜は闘いだ。

一晩かけて、
手作りのクッキーを大量に作った。
大量の中からいいカタチの
いい焼け色のものを厳選し、
大切に梱包した。

どきどきして眠れなかった。

お見舞い当日である。
病院にはふたり友だちがついてきてくれたのだが、
病室の前でわたしの足が前にすすまなくなったのだ。

30分くらいだろうか。
ともだちに勇気づけられ、
やっとやっと!病室に入った。

するとなんと
彼だけならまだしも、
彼のお母さんがいるではないか。

もうそれでわたしの緊張は
最高潮に達し、
わけのわからないまま、
「これ、残り物ですが…」と手渡して
「じゃあ…」と病室を去ったのだ。

一瞬の出来事だったように
記憶している。

以来彼とはあっていない。

あれからクッキーたべたのだろうか。
残り物なんていらねーよ!と
壁にたたきつけられたのだろうか。
など…いろいろ
おもっても仕方ないのですが。

今でも悔しい。

心をこめて作ったんだよ、
ということを
ちゃんと伝えられたらよかったな…とおもう。

気持ちを伝えることは
大切な気持ちほど
難しいような気がする。


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はたさとみ [MAIL]

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