わたげと話をした。 とてもソフトな話し方をする人なので いつも心の中でわたげとよんでいる。
わたげと話しをした日の夜はいつも、 ビールがのみたい気分になり 今日は仕事帰りにそばやでビールをのんだ。
寝不足のカラダにビールが効く。 昨夜は朝方まで 若者のような長電話をしたのだった。
わたげは、 わたげのものの見方で生きていて、 わたしはわたげと話しをすると、 わたげのものの見方で 自分のことをみるような感じになる。
それがいつも違和感なのだ。
うまくいえないのだけれど。
ひとはそれぞれの目でみた 世界の中にいきていて、 共通の常識とか真実というものは 実在しないとおもう。
わたげと話をすると、 共通の常識とか 一般的な価値観とか そういうものが あるかのような錯覚におちいってしまうのだ。
いかんいかん。 自分の感覚をとりもどさなければ。
その違和感をとかすために わたげにあった日は いつもビールをのんでいる。
いつもビールをのんで とかすというのに、 しばらくすると、また、 無性にわたげと話をしたくなるのである。
わたげって強いお酒みたい。 わたしを惑わす 愛すべき存在。
こうやって こんどは わたしの目でみた世界に わたげをあてはめて こっそり仕返しをするのである。
|