晴れたり 曇ったり
めぐみ



 私の知らない所で

朝、全く起きられなかった。疲れがたまっているのかな?
朝食をささっと流し込み、地下鉄に飛び乗り、
職場まで走って、ぎりぎりセーフ。遅刻は免れた。ホッ!
今日は、FAX送信が最初の仕事だった。
今時こんなの使ってないぞ!と言う古い機械で、
一気に送信できないのか、一軒一軒かけて容易ではない。
「○○ですが、いつもお世話になっています。
 いまからファックス1枚送信いたしますので
 スタートボタンをお願いします」
何度唱えたセリフだろう。
頭の中でセリフがくるくるしている。

職場では私語厳禁であるが、
いつもと違う席での仕事だったので
上司の目を盗んで少々会話が楽しめた。
私の事は入る前からかなり噂されて居た模様。
私は相手の事を全く知らないのにその人はやけに私の事に詳しかった。
なんだか変な気分。ある日の事を思い出した。
昔まだストーカーと言う言葉の無い頃
全く知らない人が異様までにも私の事を知っていると言う事に
ある1本の電話で知らされた事があった。
明け方4時に掛けて来た相手は、
初め高校時代の同級生だと言って来た。
簡単に言ってしまえば愛の告白の電話だったのだが
私は全くタイプではなかったので切ろうと何度試みたことか。
彼は夢中で私の昔話をする。だんだん話をしているうちに、
偽名を使っていることが分かってゾッとした。
「誰なの?」と問いただす私に対して
名乗る代わりに会ってくれ!と要求。
今となっては聞くだけ聞いて会いに行かなくても良かったのだが
嘘をつくのは怖かった。何をされるか分からないと思ったから。
結局未だまって誰なのか分からず、
「ぼくのことを1日1秒でもいいから考えて」と残して電話は切れた。
ツーツーツー。。。1秒どころではない。
怖さと共に1日に何度その男の声が頭をかすめたことか。。。
その男は5年も告白する日に至るまで時間が掛かったと言う。
そろそろまた5年の歳月が流れようとしているが
まだどこかでこっそり私の事を見ているのだろうか?
おぉぉぉ急に独りが怖くなったわ。
今夜はカーテン開けて、空の様子を見ることも出来ないで
寝ることになりそうだ。おやすみなさい。

2000年12月05日(火)
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