ばかなことをしました

 傍若無人になじってひとを傷つけました。


 いつも力になってくれたきみに、私はいつも助けられました。
 ことばがなくても。
 でももしかしたら、私は借りをつくるのがイヤで、同じようになんらかのかたちで助けになって借りを返したいと思ったのかも知れません。
 なにもできないこの身が歯痒くて。

 いつか、同じことを言いました。
 貧困なボキャブラリーを総動員して、ことば足らずでしたが、いつか同じことを伝えたと思います。
 私はいつもそう思ってきました。
 でもそれは、アルコホルの力を借りて、逆ギレしたみたいに言うべきことではなかった。なじるみたいに、責めるみたいに。
 ほんの僅かでも、ことばはなくても、きみがしてくれたように、できればよかった。


 きみにあんなふうに、謝らせるつもりじゃなかった。
 傷つけるつもりはなかった。
 なもできない私自身の至らなさが悔しくて。歯痒くて。
 自己嫌悪。ただそれだけだったのに、きみの所為にして駄々をこねた。
 甘えていました。


 きみが許してくれる気がして、自分のことばかり考えて、きみを責めました。
 口から出たことばはもう戻らなくて。
 私こそ、どう謝っていいかわからない。
 どう取り戻したらいいのか。
 ばかなことをした。
2006年06月04日(日)

メイテイノテイ / チドリアシ

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