「ラストサムライ」を観る。 |
あー風邪ひきそうだ。 昼過ぎからMOVIX仙台でエドワード・ズウィック監督の「ラストサムライ」(2003年アメリカ)を。
トム・クルーズという役者、嫌いじゃない。 どこで自分が光るかというのをようっくご存じなのでしょう。 実は映画選びというか、セルフプロデュースの巧いヒトなのだと思います。 「トップガン」(1986年)以降貫き通している「才能ある青年の挫折と克服」という役どころ。または偉大な先輩役者との共演というのがソレ。 あ、「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」(1994年)「オースティン・パワーズ/ゴールドメンバー」(2002年)は例外か。 或いはミーハーなのかな。 過去の監督や共演者を並べるとニヤニヤさせられますね。 役に新鮮味はなくとも、あのやりたい放題振りを見るのは楽しみなのです。
ま、そんな役者のスキコノミはサテオキ、面白く観ました。
エドワード・ズウィック監督の代表作と云えば、異文化の衝突と和解を壮大な戦闘シーンと共に真面目に実直に描き上げた「グローリー」(1989年)かな。 ここでもトム・クルーズ演じるオールグレンが勝元や侍たちに深く傾倒していくさまを丁寧に描き上げていきます。村での生活、忍者との戦闘、過去の悪夢の克服を経て、そしてたかへの謝罪に至るあたりは実に巧みで、美しかった。 しかし決して、完全に融合するわけではない。 自刃を選ぼうとする勝元との会話は印象的。 オールグレンによって、勝元もまた影響を受けるのです。
勝元盛次もネイサン・オールグレンも架空の人物ですし、物語もフィクションですから、今更史実についてどうこうとやかく云うのは馬鹿げている。 私がジャパニーズブシドーイズムについてとやかく云うのもなにやら滑稽だ。 とはいえ、これまでのハリウッドに於ける妙チキリンな日本像、或いは日本人像とは一線を隠していますし、「異国情緒」サービスも揶揄もなく、コレマタ真面目に実直に描こうとし、またそれに成功しているのではないでしょうか、とは思います。アメリカ人の視点に於いて、という範囲内ではありますが。
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2004年01月02日(金)
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