血の色を思い出す

 上司が再び入院することになった
 着実に、病魔は彼の身を蝕んでいるかに見える
 それに比例するように、私の父を思い出す時間が増えている
 父が吐いた、血の色を思い出す
 洗面器の色を鮮明に


 たくさんの血を吐いて、父は苦しんで死んだ
 深夜の病室で、幼い私はその苦しみに脅えた
 父を喪うことよりも、父を襲う痛みや苦しみが悲しく恐ろしかった



 だめだ
 確りしろ
 ぼんやりしている暇はない
 自己嫌悪に陥っている場合でもない
 自分のできることをしなければ
2003年09月08日(月)

メイテイノテイ / チドリアシ

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