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知識として「空は青い」と知っている事と、 見上げて「空が青い」と気づく事は全く異なる
「GLAMOROUS GOSSIP」(華不魅/新書館)より。
部屋の壁中に貼られたグラビアや記事を「自分」だと男が云う。
「興味を持ったこと、欲しいと思った物、何が好きで何が嫌いか。『俺』を形成するものを覚えておくために貼ってある」
人工生命体であるギーは、興味を持ったものを集めることで、ともすれば見失ってしまう曖昧な「自分」を戒め、アイデンティティーを確立しようと足掻く。 脇役ですが、最も共感を覚えた人物です。
「自分」とは、なんだろう。 好きなものはなんで好きなんだろう。 何が好きだと思わせるのだろう。 カラダはカラダでしかない。 好きなものを好きだと感じる、なにかがこのカラダの中に確かにある。 「空が青い」と、気づくなにかが。 それが「自分」だろうか。 「自分」を形成するもの、だろうか。
好きなものを集めていって、自分の中の何がそれを好きだと思わせるのかを突き詰めていったら、「自分」が見えるような気がする。 「自分」が如何なる人間なのかが、見えてくるような気がする。 だから好きなものを追わずにはいられない。
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2003年05月16日(金)
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