鈍い

 仙台フィルの定期演奏会にオーレ・エドワルド・アントンセンがゲストでいらっさるとか。
 ワオ!ナマでアントンセンのプレイが聴ける日が来ようとは。
 コンチェルトだというから楽しみだ。




 去年入社した同僚が辞めた。
 無断欠勤1週間の果ての、労いも、別れの言葉も何もない、突然の退職だった。
 いつも、明るく笑っていたから気付かなかった。
 ほんとうに突然だった。

 直接聞いたわけではないが、一番の理由は人的環境だと思う。
 かつて彼女と同じポストにいた人たちは、皆コトゴトク同じ理由で辞めている。そしてその去り際も、まったくよく似ていた。

 「ニンゲンカンケイ」のグダグダというやつは、長くこの職場にいた所為か、経理という職種の為か、多くに「ドライだ」と評される性質の所以か、私自身は割とヘーキだ(但し、業務自体が良心に問わなくてはならないよーなものじゃない限り、という条件ツキで)。
 しかし、それは彼女への配慮を怠った理由にはならない。
 他人が、自分と同じ考え方や感じ方をするわけではないということは重々承知しているはずなのに、去年彼女と入れ違いに辞めた人の話(愚痴とも云う)を一番聞いて、その辛さを一番理解していたのは、他でもない、私だったはずなのに。


 また、傍観者だ。
 鈍い。
 生来鈍感だが、こんなに己の鈍さを呪ったことはない。

 私が動いても、何も動かなかったかもしれない。
 彼女の気持ちや、環境を変えることはできなかったかも知れない。
 けれどこんな形で辞める前に、なにかできたのではないかと呪う。
2003年04月05日(土)

メイテイノテイ / チドリアシ

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