空色の明日
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2019年03月09日(土) 簿記

日経土曜版に掲載される1週間テレビ欄を見ながら
毎週土曜日に1週間分の録画予約をする。

もちろんテレビに内蔵された番組表を見れるわけだが
アナログ世代の私にはあのスクロールが見づらい。

見落とすのがいやでついつい
赤ペンをもってテレビ欄に丸を付けてから
録画予約を始めることになる。

新聞のテレビ欄には文字数の都合上、内容がよくわからないくらい
省略されているものも多い。
特にEテレは1番組の時間が短いので
1時間枠に4番組詰め込みしたりするから
ほとんど内容などわからないもの。

先週予約をしていてEテレで
高校講座簿記という番組を見つけた。
最近のEテレの多様化の波はこんなところにも。
再放送なのか30分番組を1日2本連続放送で1週間。
気になって録画してみた。

私は30代の時転職のために簿記を勉強して資格を取った。
夫は経営学部出身なのでもちろん簿記を勉強している。

夫婦で晩御飯を食べながら簿記講座を観る二人。
しかもかなり盛り上がりながら。

高校生向けなのでPOPなテーマ曲とPOPな展開にしてある。
「Let's 簿記ing!目指せ決算!!」というテーマ曲。
わかる人にしかわからないがこの深い歌詞にまず大ウケ。 
結局1週間見てしまった。
面白過ぎる。

しかしそれにしても私のように社会人になってから
簿記を勉強したものはすべての授業が
実感として手に取るようにわかるが
高校生では本当に「覚えるだけ」だからつらいだろうな。
というか学生の頃の勉強ってみんなそうなのかも。

けれどそこで学んだと学ばないとで
その後の生き方の幅が広がるというのは間違いない。
特に理科は生活に直結する。
スイヘーリーベだって今となっては
健康に関するいろんなことをちょっと調べるとき
とても役に立っている。
糖質とは砂糖だけではないということは
学校で習ったから糖質制限で炭水化物を減らす意味がわかるのだ。

それでも渦中の学生には当然、そんな先のことなんて
想像もつかないわけで
「とにかく今は勉強しておけ」といわれたことを
素直に聞いてこなしていたことが
後々役に立ったということになる。

さて、調理師の夫がなぜ簿記なのか。
夫は肉屋さんを営む家の長男だった。
いずれ店を継ぐために経営学部に進んだ。
店では総菜なども出すし肉をさばくためにも
包丁になれるためにか親に紹介されたアルバイトは
飲食店の厨房ばかりだった。
就職するとき大手証券会社の内定を蹴って
アルバイト先だった飲食の道に進んでしまった。
(結局その大手証券会社は後にバブル崩壊で倒産する)

というわけで調理師学校を出たわけでもない人が
今は給食会社で調理師と管理職をしている。
けれども経営学部で学んだことが無駄になったかと言うと
そうではなくて、管理職に必要な予算や収支ができる
貴重な調理師として会社からは重宝されているのだ。
そりゃそうだ、料理ができる調理師はあまたいるが
経理ができる調理師はそうそういない。
会社にしてみればきちんと利益を出す調理師として
とても都合がいいのである。

勉強はして損はない。
かならず身を助けるのである。


安藤みかげ