空色の明日
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2017年10月28日(土) イケフェス

「生きる建築ミュージアムフェスティバル」に
今年も行きました。

今年の私の目玉は今建設中の阪神阪急梅田一丁目一番地ビルの
建設現場見学。
抽選に応募したら見事当選しました。
建設会社の方が私のような建築素人にも
わかりやすくとても丁寧に説明してくださって大満足でした。

あんな街のど真ん中で「建て替え」なんてどうやるんだろう
と思っていたら、騒音・営業との同時進行など
はっきりいってリスクだらけの作業を
ひとつひとつ何のトリックもなくただひたすらに
手間と労力と知恵を使ってクリアしていく現場の方々に
ただただ頭の下がる思いです。
やっぱり魔法なんてないのです。ひたむきに向かうのみです。


そんなふうに作られる「建築」が「生きる建築」に
変化するのは出来上がって人が入ってから。
その生きる建築の新旧両方を見学させてもらえるこの「イケフェス」。

人の手によって作られるから作品であると同時に
人が使うツールであり器であり
それを鑑賞し、体感することはミュージアムという名にふさわしい。

人に愛された建築は大事に維持され100年以上
あの空襲もあった大阪市内で今も使い続けられている。
作ることに携わった人、使い続けた人の両方で生かされるのが
建築の面白いところ。
だから見学に来る人はみな礼儀正しく
「お邪魔させていただく」気持ちで・・・がルール。

そんな人たちと建物のオーナーと運営委員会の人々の
気持ちだけでなんとか成り立つこのフェスの志の高さが好き。

だからいつなくなってもおかしくないし
そもそも建物がいつまでもあるとも限らない。
美術品と違って大事に保護されるわけでもなく
災害や火災、まして維持する人が維持できなくなれば
なくなってしまうものだから。

クラッシュ&ビルドってもうちょっと違う気がする。
そういう気持ちを大事にすれば
日本のこの経済状態を貧困と呼ばないでも
やっていける気がする。


安藤みかげ