空色の明日
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2017年06月08日(木) 一番幸せなこと

この前からずっと考えていることがある。

昔から仲の良い男友達がいて
まぁ、たいてい男友達というものは
結婚すると嫁に主導権を握られなんとなく
やるせないような、悶々と納得してないような
そういう感じを出している。
ことに子育て中は。

「毎日、何が楽しい?」と聞かれ
「美味しいご飯を食べること」と答えた私。

そうだなぁ、本当にそれが一番楽しいなぁ。
それがきっとはた目には「なんて面白みのない人生」と
そう映るかもしれないが
文字にするとそういう感じにしか読めないが。

私としては自分が今食べたいものを
自分が納得した食材で作り
その作る過程も料理が好きなのでワクワクとして
自分が選んだ食材が味見してみたらものすごく当たりなやつで
そして、それを大好きな家族と食べる。
その家族もその美味しさを判ってくれる人で
一緒に美味いなぁと食べてくれる。

これが今まで生きてきていろいろやった結果
自分の力だけは叶わないけど、なぜか
偶然が重なってうまく叶っていることだと思うと
ものすごく価値がある幸せに感じるのである。

それが私の幸せである。
そして、それがあれば別に欲しいものなんてないと思う。

その友達は「俺はこの車に乗りたいんだ」という。
それはもう20年以上前からずっと言っている。
20年もあればそんなチャンスもあっただろうに
それが叶っていないということは
そんなに叶えたい夢ではないんじゃないかと思う。

人の価値観って本当に違うもんだなと思う。

男と女の違いかなぁとも思った。
女はたいていの場合、家にあるすべてのものを管理する担当にさせられる。
なのでそれをしつつそこから何か楽しみを捻出しようとする。
まぁ、子育てをしてない私が言うのもなんだが
「趣味は子育てにしたら一石二鳥じゃないか」とつい
思ってしまうのだが、その立場にない人間は
たいていトンチンカンなことを考えているからこれは置いておこう。
しかし、私の弟なんかはまさにこういう感じのことを考えてる。
仕事が激しく忙しい。
だけど学生の頃からやってるバンドで
未だに時々練習したりライブしたりしてる。
そして子供と戯れている。
なんかそれを楽しみな感じにしながら。

結局そういう親を見てるからそんなもんだと思うのだろう。
他にずっと大事にし続けられるものを知らないからだろう。
親が何か物を大事に大事に持っているというのを見たことがない。
あの人たちは物に価値を見出さない人たちだった。
物は最小限しか買わないけど家族での時間には
ケチケチしない人たちだった。

それが家風なのだろう。
家風が合わないとつらい。
私はそこが合う人をみつけたからたぶん
一緒にご飯を食べるときが一番幸せなのだ。
特に会話なんかしてなくてテレビ見ながらとかでも。
同じものを食べて同じもので体が出来てる。
それだけで家族だなぁと思う。

そういうことがわからない人には
きっと私の幸せは永遠にわからない。
「なんか幸せそうでいいなぁ」と彼は言う。
こんなに簡単なことなのに。
自分がわかろうとすればいいだけなのに。

それがわかっていたら、違う生き方をしてるだろう。
考え方だけの少しの違いなのに人間の思考はそう簡単ではない。


安藤みかげ