紫
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「東京は寒いなあ」
大学の入学式当日、大きな荷物を抱えて、東京駅でブルートレインを降りたとき、線路も電車も雪が積もっていました。
4月に降る雪は、異例とのこと。
私の上京に、突然着いてきてくれた父といっしょに、これから少なくとも4年間は住むであろう部屋に向かいました。
前日に送ってあった布団袋がひとつ、小さなダンボールがひとつ。
大家さんが部屋のなかに運んでおいてくれました。
もちろん暖房器具はありません。
前の人が残していった温度計を見ると、9度。
部屋の中も外も変わらないほどの寒さです。
最初に用意していた入学式用のスーツは、寒くて着られません。
ほぼ普段着に近い格好で入学式に向かいました。
父は、入学式には着いてこず、私の部屋に棚を作ったり、すきま風の通り道をふさいだりしていました。
初めての東京と異例の寒さにぐったりと疲れて、部屋に帰ったとき、父が小さな小さな電気ストーブを買ってきていました。
その小さな電気ストーブと、カセットコンロにお湯をかけっぱなしにして、部屋を暖めて待っていてくれた父。
部屋の温度はようやく12度だったけれど、心はほんのりと温まりました。
今、私の足元にちょっと古い電気ストーブがあります。
懐かしいぬくもりに、ときどきタイムスリップ。
……zzz………。
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