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2003年06月22日(日) 沙羅双樹

 祇園精舎の鐘の声
 所行無常の響きあり
 沙羅双樹の花の色
 盛者必衰の理(ことわり)をあらわす
 奢れるものは久しからず
 ただ春の夜の夢のごとし

言わずと知れた『平家物語』の冒頭です。
中学生のころに覚えさせられた人も少なくないはず。
かくいう私も、国語の授業で覚えました。
この冒頭の意味も『平家物語』の内容もなんとなく理解はしていたのですが、琵琶法師が語る怖い話、としてしか、私のなかには入ってこなかったように思います。


今日は、雨の降るなか、京都の花園にある「妙心寺」に行ってきました。
「沙羅双樹の寺」として知られるこのお寺。
樹齢300年の沙羅双樹が植わっています。

沙羅双樹という名は、「ナツツバキ」の異名というだけあり、形はツバキにそっくり。
朝に咲き、夜には散っていく1日だけの白い花。
花びらが一枚ずつ散るのではなく、花ごと「ぽとん」と地面に落ちていきます。
6月下旬の梅雨の時期が花の見ごろとあり、苔(こけ)むした地面には、もうすでに落ちた花でいっぱいでした。

和尚さんのお話のなかに、「今日しなければいけないことを明日に延ばさない」という釈迦の教えが出てきました。
沙羅の花は、1日だけの命を悲しんでいるのではなく、与えられた1日だけの命を精一杯咲きつくしているとのこと。


1日咲いて「ぽとん」と花ごと落ちる沙羅の潔(いさぎよ)さと人の良さそうな和尚さんのお話に、またしてもなんとなく『平家物語』の冒頭の意味が私のなかに入ってきたように感じました。

「諸行無常の響きあり」

そう、「今」は「今」しかないのです。
そんな「今」を、のらりくらりと暮らしている私。
私のよくいう「刹那主義」って、ホントはこういう意味なのかもしれないなあ、という考えがよぎっただけで、心のなかはお昼ごはんに食べるおいしい豆腐のことでいっぱいでしたとさ。


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