紫
|MAIL
目次|過去の日記|未来の日記
「泥棒でもいいから、誰かにそばにいてほしい」
大学に入って間もないころ、真剣にこんなことを考えたことがあります。
寂しくて寂しくて仕方がなかった春。
寂しさのあまりに、体の震えが止まらず、まだ知り合って間もない大学の友といっしょにいても、まだ乗り慣れない西武新宿線のラッシュのなかにいても、涙がとめどなくあふれてきました。
家の近所の電話ボックスに、毎日、コレクトコールをかけに行っていました。
電話に出た祖母の口からは「若いときの苦労は買(こ)うてでもせよ」と一言。
その言葉を聞くために、また次の日もその次の日も電話をかけていました。
部屋に電話がついたのは、その半年後。
そして、部屋に泥棒が入ってくれたのは、その3年後。
もちろん、うれしいのは電話がついた半年後のほうです。
そしてこれまたもちろん、どんなに寂しくとも、今は泥棒には入ってほしくありません。
おやすみ。
目次|過去の日記|未来の日記