紫
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ピアノが私の手元からなくなった高校1年生の三学期。
音楽の授業で1年間の発表会をすることになりました。
歌でも楽器でもなんでもいいのです。
みんなそれぞれに自分のやりたい楽器でやりたい曲を練習しています。
最初は、ピアノで何か弾きたいと思っていたけれど、もう私の手元にはピアノがありません。
仲の良かった友たちといっしょに「80日間世界一周」を演奏することになりました。
アルトリコーダーとソプラノリコーダー、トライアングルとピアノとドラム。
私は、にわかに覚えたドラムを担当しました。
友といっしょの練習は、笑いのたえないひとときでした。
それでも、やっぱりピアノを弾きたい。
最後に何か弾きたい。
今、私に弾けるピアノは、この音楽室のピアノしかないんだ、と思うと、まだ新しいグランドピアノが「弾いてよ。弾いてよ」と語りかけているように思えました。
発表会当日。
友といっしょに練習を続けた「80日間世界一周」は、大盛況でした。
そして、私はもう1曲。
「トロイメライ」をピアノで弾きました。
けっして難しい曲ではなかったけれど、しばらくピアノから遠ざかっていた指が動きません。
当日まで、友の家のピアノを貸してもらったり、紙でつくった鍵盤の上で練習したり。
紙の鍵盤で練習している私を見て、母が台所でこっそり泣いていた姿が忘れられません。
今日は、久々にピアノをほんのちょっと弾きました。
そして、もっと弾きたい、と思いました。
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