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2003年02月23日(日) 夢のひとつ

学生時代の夢のひとつは「お弁当屋さんになること」でした。
ほかほか弁当を買えないほどビンボーだった私。
毎日、3個100円の納豆を6食3日間に分けて食べていたころの、ぜいたくの一つが「お弁当屋さんでお弁当を買う」でした。

近所にチェーン店でもなんでもない、家族で経営しているお弁当屋さんがありました。
いつもおいしそうな匂いが漂ってきます。
でも、なかなかお弁当を買う勇気が出ないまま1年が過ぎたころ。閉店間際のお弁当屋さんの軒先をのぞきました。

もう片づけ作業をしている店のおばさん。
「いらっしゃ〜い」
という優しい言葉に誘われてのれんをくぐりました。

「は、は、ハンバーグ弁当!」

勢いよすぎるくらいに注文。400円のハンバーグ弁当。当時の私にしてみれば、ずいぶんぜいたくな食事です。
店のおばさんが笑顔で「は〜い」と言ったあと、なんと閉まったばかりのボールを取り出し、ハンバーグをこねはじめました。
手作りだ…。

よく見れば、壁にはいろんな調味料があり、まだ片づけきれていないデシャップの上には、パン粉やメリケン粉、卵に、イカフライになるだろうイカの切り身。
手作りなんだ…。

「おまちどうさま〜」

店のおばさんの笑顔が「おいしいよ。味わって食べてね」と言っているようで、なんとなく胸がつまりました。

あたたかすぎるお弁当を持って帰宅。
お弁当を食べながら、おいしい気持ちのたくさん入ったお弁当を、いろんなことを思い出しながらぱくぱく・むしゃむしゃと食べました。
今の時代にこんなにビンボーな学生は珍しいだろうけど、いつの世にも絶えない学生たちに、私もいつかこんな「幸せ」を出してあげたい。

夢はまだ実現されていないけれど、それでもまだ実現可能な夢のひとつとして、私のなかに生きています。
そう、「思い出の宝箱」にはまだまだ入りません。

おやすみ。


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