紫
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「せこガニ、食べる?」
家に帰るやいなや、母が聞いてきました。
せこガニとは、メスのカニのことで、足にはあまり身は詰まっていませんが、ミソがおいしいようです。
足のほうが好きな私は、せこガニはあまり食べたことがありません。
カニみそは好きだけど、甲をあけて食べるのは面倒くさいし、ポタポタこぼれるし、手も汚れるし………。
あれこれ考えている間に、せこガニが食卓に置かれました。
あぁ、釈然としない私。
「足が面倒くさいねん」
とバキバキと足を折っていく母。
カニみその好きな母は、昔からカニを食べさせると右に出るモノはいないと思うほど、上手にカニを食べていきます。
母が子どものころ、城之崎出身の祖母に、よくカニを食べに連れていってもらったとのこと。そして、カニの食べ方は祖母に教えてもらったそうです。
「ここをこうしてね…、あ、それは全部取るの」
甲の食べ方は何度も教えてもらっているけれど、いつも途中で面倒くさくなってやめていました。
でも、今日はなぜか「最後まで食べよう」と思いました。
なんとなく、その「カニの食べ方」は、無形の資産、のような気がしたからです。
それでもやっぱりカニは足がいちばんおいしいんですけどね。
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