とはいいながら、花火を見に行かなかったけど。 花火は、テレビの中継画面を通してみても、余り意味のあるものではないかもしれない。 ビリビリと肌や鼓膜を振動させる一瞬に、儚く散っていく光の花。 記憶に留まる間もなく、消えてしまう残像。 今年は江戸開府400年記念で、江戸時代の花火の再現もあったらしい。
ところで、夕方、久しぶりに太陽の光を浴びた。 厚い雲が、空を覆い尽くしていたけれど、夕陽が鋭い切り込みを入れた。 こぼれた光に、思わず笑みが浮かんでいた。 明るい。 やっと、待ちわびた夏が、やってきそうな気がする。
■本日の読書
マルドゥック・スクランブル3〜排気 (冲方丁、ハヤカワJA文庫)
「殺された」少女娼婦バロット、万能な金色のネズミ、殺された少女を再生したドクター、少女を殺し続けるシェル、「眠らない」事件屋ボイルド、カジノの魅力的なディーラー達・・・。 キャラクターが背負っているトラウマが、とても重いものなので、万人向けではありません。エロティックでヴァイオレントだしね。でも、私は3ヶ月間(3ヶ月連続刊行、全3巻)、この話の続きが気になって仕方がなかった。ライトノヴェルのレーベルじゃ出せなかったのが、わかる。 そのレーヴェルの読者は、残念だけど、読むのを拒否してしまうだろう。 手軽に読める「ライト」な話ではないからだ。
スリリングなカジノの駆け引きに、手に汗握り、バロットの心の動きや、相棒ウフコックとの絆に暖かな気持ちになり、散りばめられた卵のモチーフの隠喩を噛みしめ。 最後まで、緊張感が途切れずに一本の話が終わっていった。 もし機会があったら、是非読んで欲しい。 この話は、読む価値があると思う。
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