思考回路2011
もくじ|むかし|あした
深夜はずっと二人営業だった。 経験から、入って二日目の人間と 二人で営業すると言うことがどれだけ もう1人に負担がかかるか知っている。 教えることはたくさんあるが、自分の仕事 があるので見てられないし、休憩も行けない。 相方が当然のことながらキッチンを出来ないから。 そんなわけで、ワタワタと二人営業。 「店長」と十回以上呼んだような気がする。 呼びすぎで、途中でブチきれるんじゃないかと 思って、出来るだけ呼ばないようにしたけど やっぱり、分からない事だらけなので、 どうしようもない。 しかし、この店長。あまり店長っぽくない。 面接の段階から薄々気づいていたことだが 働く人間の個人レベルの事柄について まったく頓着しない。なぜって、面接なのに 履歴書も見ない。見たのは髪の毛の色。 聞かれたのは1年出来るかどうかだった。 ここの面接方針が、そうなのか、それとも この店長がそうなのかは分からないが。 数日、聞いたり見たりした限りでは、 「細かい」「バカ店長」と呼ばれている。 上に立つ人間は大抵、アホなので、まぁ バカ呼ばわりされるのはいいとして。 無表情だ。びっくりするくらい。 疲れは顔に出ているが、普段の様子から テンションが低いので、感情がよみにくい。 別にまったく笑わない、漫画チックな キャラでもないが。 掃除機のコンセントがどこにあるか聞いたら 笑っていた。店長も知らなかったらしい。 苦笑に近い笑いだったような。 カフェのドリーなら無駄話のオンパレード だったろう8時間。個人的な会話は一切ない。 とゆうか、この店長、最低限交わされる あいさつさえしないから、すごすぎる。 こっちが言っても返さない。 かといって、別に偉そうにしている訳でもない。 仕事ぶりは、見た限りすごく動き回っている。 休み無く。まぁ休んでる時間もないんだろうが。 仕事の指示や教え方も、丁寧ではないが 一応教えてくれる。しかし妙に配慮が足りてな かったり。 徹底的に一定の距離を保っているといった感じ。 高校の時の先生で、こんなタイプの人がいた ことを思い出した。口が悪くて冷たい突き放した しゃべりかたをする。ほとんど笑わなくて、 時々、真面目な顔でボケた事をいって笑わせていた。 そんなタイプの人間なのかはまだ分からないが、 あんまり店長って風じゃないよな・・・。 ドリーみたいなのが店長でも、問題あるが。 精一杯やった朝8時頃、ようやく朝番の人が来た。 たぶん店長より年上の、パートさんが店長に 「大変だったでしょ。大丈夫だった?」 と言った。 長くやってる間柄なのか、お母さんみたいだと 思いながら店長の顔を見た。 そりゃ、大変だったろうな。ピーク中の引継 だったし、入って二日目の新入りとだし。 しかし店長は・・・・。 無言。しかも無表情。視線はここにあらず。 肯定も否定もしない。 びっくりした。 「まあな」とか「大変だった」とか「それほどでも」 せめて、「あぁ」とか「いや」ぐらい言う場面。 なのに無言って。想像外のリアクションに 目をぱちぱちしちゃったよ!。 そんなリアクションにパートのおばちゃんは 慣れているのか、ふつーに流していた。 なんなんだろう、この「店長」は。 「おつかれさまでした。ありがとうございました」 と言うと、 「おつかれ〜、今日はどうだった。大変だった でしょ〜。深夜やっていけそう?」 なんてことはもちろん言わず 「あぁ、いや」みたいな、しかも ほとんど聞き取れない声で言っていた「店長」 ・・・もしかするとカフェのバイトで、そんな 気づかいの言葉に慣れてしまっていたのか・・・。 いやいや、店長って、そうゆう事をするのも 仕事の一つじゃないのかと思ってみたり。 とにかく、まか不思議な店長。 おもしろい。後から笑いがこみ上げてきた。 そんな配慮が欠けた店長を補うように 朝のパートさんが「きつかったでしょ」と 声をかけてくれたり。 うーむ。 親がダメだと子がしっかりするって感じだね。
|