思考回路2011
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| 2003年07月03日(木) |
善意がつらいってアリか |
未知の感情。 あんまり人に優しくされたり、気を使って もらったことって多くはない。 だから、大丈夫?とか、手伝おうか?とか、 いろいろ気遣ってくれる、このバイト のみんなはいい人達だと思う。 にもかかわらず、ものすごく泣きたくなる のはなんでだろ〜♪ もちろんウレシ涙ではなくて。
「今日はあんまパスタ入ってないね」と その日の時間帯責任者だった人が言った。 そんなに忙しくないね、暇だね。 大変じゃないね。 今日は。 と。
何気ない一言。 めまいがして、涙が出て、1人でキッチンで泣いた。 キッチンはいっぱいいっぱいで、へたりそう だったところを、がんばれと自分を励ましながら 立て直そうとしていた所の、その一言だった。 途中でパスタの仕込みが足りなくなって、 仕込む野菜を切って、ソースを入れて、食材を補充し 、たまる洗い物をこなし、無機質に機械から 打ち出されるオーダー表と1人で格闘して、 あぁ、明日のピザの仕込みをしなきゃ、 あぁ、チーズも切らなきゃもうない、 あぁ、届いた食材の片づけもしなきゃ、 あぁ、でもパスタが途切れてくれないぞ、 あぁ、パスタを混ぜるボールが洗わないとない、 頑張って終わらせるんだ、ガンバレガンバレ・・・
「今日はあんまパスタ入ってないね」
パスタは、数字的には確かに普段より少ない。 そうだよ。パスタはそんなに出てないよ。 けれど、今日は決して、ヒマではないんだよ。 朝から新しいパンとピザを焼いたせいで、時間 が押して、ちゃんと仕込みを終わらせることが 出来なかったんだよ。だから、その分いつもより パスタは出ていなかったけれど、仕込みが無くなる のが早かったんだよ。だから、ずっと普段より 忙しくて、大変だったんだよ。 見て分からないのだろうか、荒れ果てたキッチン たまっている洗い物。疲労ぎみな私。 それでも、立て直して頑張ろうとしているのに。 途方もなく虚しくて、やるせなさが襲ってきた。 この状況をほっぽりだして、帰ってやりたかった。 急激に下がったテンション。 やっとともった火が、消されてしまった。 あんまりにもガクッと来たので、異変に気づいた のか、いぶしかげな顔をしていた。 けれど、気がつかない。なぜそうなったのか。 分かるわけがない。分かるはずもない。 なぜなら、キッチンをやったことがないから。 1人で、すべてをやらなければいけないキッチン の大変さが理解できないのだ。 4年もいて、何やってきたんだろうこの人。
もやもやを抱えたまま、上がる。 しかし、本当につらかったのはこの後だった。 またしても、普段いない店長がいた。 店長は、大丈夫?という顔をしてきた。 その後は大丈夫?と。あるいは、大丈夫だね? とにかく様子を気にしてくれていた。 それが、ものすごくつらかった。 私は曖昧な笑みを浮かべてうなずいた。 バックルームを出ると、今度は、いろいろ 話しを聞いてくれているバーの責任者の 人がいた。同じキッチン同士。 彼は、にやっと笑うと「お疲れさま」と 言った。そうして店長と同じく、大丈夫大丈夫! という顔をして、私の肩をたたいた。 それが、ものすごくつらい。 いろいろな理解しにくい感情が入り乱れた。 心配してくれている人がいる。 にもかかわらず、それがつらい。 ありがたい、幸せなことのはずなのに。 悲しくて、また涙が出た。 本当に悲しいのかも分からない。
しかし、一つハッキリと言えるのは ・・・もうムリ。もうダメ。
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