夕刻、実家から洗濯物をさげて帰ってきた。 【言い訳】我が母は洗濯マニアであり、私が自ら洗濯し干しても、なにかかにかいちゃもんをつけて、 一からやりなおしし、かつ一頻り私の洗濯方がいかに不味いかをコイチジカンのべくさるので、 私ももうガンジーのごとく無抵抗で洗濯物をホイと渡すのであります。
アパートの階段を上がると私の隠れ家のドアを叩く男あり。 ドンドンドン。 不信感。 「うちになんの用でしょうか。」 「あ!奥さまでいらっしゃいますか?」
こんな下町の路地の中のアパートに、今時夫婦もんが住んでるわきゃねえだろう。 「いいえ。」 「あ、本日はお仕事お休みでいらっしゃる。」 悪いけど月に10日しか働いていないから、本日もお休みですよ。 「ああ まあ〜。」 「わたくし日暮里に新しくお店を開店いたしましたホンニャラのハミャハミャと申しまして・・・」 「は!? なんのお店ですか?」 「開店のご挨拶に参りました。」 「なんのお店ですって?」 「突然失礼とは存じますがトクノアルオカオヲシテイラッシャル。」 ??? 「え?なんのご用でしょう。なんの営業ですか?」 男がドアの前に立っているので、鍵を明けられない。 ・・・・・ 「なんのお店のセールスなんですか?」 「えと えと・・・」 シーン・・・ (そこをどいてくれないと部屋に入れない・・・ 間・・・ そこどけやオーラ) 「あーと、わたくし日暮里に新しくお店を開店いたしました顔相鑑定の××(横文字 フォーチューンみたいなの)と申しまして・・・」 「あああ〜 いりません。そこどいてくださいますか?」 「は!すみません。それにしても徳のあるお顔をしていらっしゃる。」 「そう?ありがとう。ではさようなら。」 バタン ガチャ (鍵)。
本当はもっと怖かったです。 逆切れされたらどうしようと思いました。 が、あっさり引いてくれたのと、隠れ家にすべりこんで内側から鍵をかけるまでなにもしなかったのと、 落ち着いてみると、無料で一瞬で顔相を鑑定し、 「徳のある顔。」 と結論だけいってくれて、かつ「でも注意しないと」で始まる呪いのようなセールスに至るトークを言わなかったので許すことにしました。
ま、私の顔相は簡単よ。超福耳だしね〜。耳たぶフクフクよ。
でもね、内側から聞くノックは無視できるけれど、帰宅してドア前にいる奴をかわすのは難しいです。 怖いことっていっぱいある。
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