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2006年04月14日(金)
 - けづる。 -

こう、桃色か肌色の軟体なものがあって、
柔らかさは生卵の黄身の具合で
大きさは両の手の平に収まるくらいで
形は歪な半球体です。

それの所々に、何かが焦げ付いたような
硬く、瘡蓋のような褐色の部分があります。

そうしてその瘡蓋を、顕微鏡でよくよく調べながら
爪や、細かいものはピンセットやなんかで
剥ぎ取ってゆきたいんです。


何もしていない時や本を読んでいる時や寝る前に起こる、
厭な体験のフラッシュバックのようなその記憶
胞子を出したかのようにその軟体なものの中で増殖して
頭が一杯で狂しくなって、今にもヒスを起こしそうです。

だからそんな禍々しい記憶の瘡蓋を残らず、一片も残さずに
けづり取って棄ててしまいたいんです。

たといその結果、何も残らなかったとしても構わないから
何も思い出せなくなってずうっと眠れれば良いな、と思います。