2003年10月05日(日)<<<ほんとうは
10時過ぎにメールが届いた。 昼でも一緒にどう? って、相変わらずの短い文面。
待ち合わせてイタリアンレストランで食事をしたあと、 海を見ながらいろんな話をした。
嬉しくて、とてもたくさん笑った気がする。 前菜を取り分けてもらったことや 幸せだと笑ったあなたの顔や ときどき私の腰にまわされた手もなにもかも。
左手の薬指に嵌められているはずのリングは なぜかあなたの胸元で揺れていて、 そのことにすこしほっとしたりもした。 たとえそれを身につけているという事実に変わりはなくても、 まだ直視することはできなかったから。
疲れているあなたに無理を言って 最後に会ったのは半年前だ。 今回、旅行でこっちに来ることはずいぶん前から知らされていたし 私も会いたいとは言っていたけれど、 きっと短い時間しかとれないだろうと思っていた。
だけど一泊二日の旅行のうち、 二日目をまるごと私にくれた。 チェックアウト直後から飛行機の時間まで。
それだけでも充分すぎるほど幸せだったのに、 夕方になって中途半端に時間が余ったときは 帰りの時間を過ぎるかもしれないことがわかっていて それでも一緒にいることを選んでくれた。
だから思わず期待してしまいそうになる。
別れ際、集合時間に遅刻させてしまった申し訳なさと あなたを見送る寂しさとで泣きそうになった私に 額を寄せてくれたいつもの笑顔がやっぱりとても好きだと思った。
今日、あなたの隣を歩きながらほんとうは手をつなぎたかった。 私の気持ちはどれだけ伝わっているんだろう。
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