Kin-SMA放言
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2005年04月07日(木) 愛それは苦しく

宝塚歌劇団の伝家の宝刀『ベルサイユのばら』が、またもや上演されることになりました。

またですか。と思われるかも知れないが、意外とこの演目は侮れない。

元々脚本が古色蒼然としてるせいで(いきなり毒かよ)いつ上演しても古さを感じないのだ。いわゆる「古典」ですね。

さらに、上演される時期によって演じる人が変わるということが、ファンにはたまらない“ごちそう”なのだ。

歌舞伎の『勧進帖』に匹敵するドル箱演目、それが『ベルばら』なのであります。

今回は、星組が「フェルゼンとアントワネット編」、雪組が「オスカル編」というバージョン。

トップさんのカラーに合わせて、何種類ものパターンがあるのも『ベルばら』の強み。

特に星組の場合、ふぐすまの星・となみん(白羽ゆり)がトップになれただけでも嬉しいのに(ちょっと心配だったもんで・・・ごめん)、アントワネットという、彼女の力が遺憾なく発揮される大役であることがひじょーに嬉しい!

期待しちゃうv

(「マリー・アントワネット生誕250周年」てのは、こじつけっぽいけど←黙れ)




『スタアの恋』第7話。

恋愛ものではなかなか感動しないぼくが、本日はぼろぼろ泣いてしまいました(;;)

どこでかというと、草介がヒカル子のストーカーに向かって言う、

「スターを本気で好きになってどうするんですか」「一般の方を僕は好きになりますよ」

から始まる一連の長ゼリフ。

言ってることはミエミエなんだけど(こら)、草介のどうしようもない感情が一気に溢れ出て迫ってきて、まさに「愛〜♪ それはー苦しくー♪」(ここでリンク?)の世界。

よく見ると今話の脚本は橋部敦子さんだったのね。

演出も鈴木さんではなかった。

どことなく雰囲気が叙情的だったのはそのせいだろうか?

でもやっぱ草なぎ剛の芝居力はすごい! と改めて思った次第でござる。


←こういうチャンスでもないとね(^^ゞ





睡眠時間4時間だったんだけど、早く職場を出られたので『真夜中の弥次さん喜多さん』を観てきた。

面白くないことはなかったんだけど(奥歯にモノ?)、原作のスゴさを再現するまでには至らず。

元々映像化するにはあまりにもスゴすぎるマンガではあるんだけど、最近のVFX技術は、たいていどんな「絵」だって描けちゃうものだ。

ただ“再現”という時には、そういう絵面の問題じゃなく、いかに原作のスピリットを作り手が咀嚼できているかだと思う。

その基準を図る時に、しりあがり寿さんが納得してれば成功だとはぼくは思わない。

作品は、発表された時点で作者の手を離れるものだからだ。

ぼくはこの映画、すごく面白くて楽しかった。ただ、原作を読んだ時に受けた「感銘」がなかったのである。

特に、ぼくが原作を読んですごい泣けた喜多さんの“あやとり”のエピソードが、映画では単に「可笑しい」だけのネタになってたとこが不満。

さらに、バイの弥次さんと違って、喜多さんは完全な同性愛者のはずなのに(と、ぼくは原作から感じる)、映画では喜多さんはお幸ちゃんを好きになる。この辺に不自然さを感じた。「クドカンめ、安全策とりやがって」と思った。一般人に共感させようとしやがって(こ、こら、ストップストップ)

弥次さんの腕に喜多さんの人面疽が出来るエピソードなんて、あのあとスゴい感動できるオチになってるのに、なし崩し的にカットアウトだし。

それより一番納得いかないのは、弥次さんに女房がいたというエピソード(しかもそれが話の大きなキーになってる)

そんなに同性愛者を主役にすることに抵抗があんのかな?

同性愛者であることがデフォルトじゃいけないのかな?

別に「差別と戦え」とか言ってるんじゃなく、二人が完全なる同性愛者であることに、さりげに抵抗を感じてる様子が見えることがいやだった。

主役の二人は同性愛者ですけど、それが何か? っていう度胸が欲しかった。

そんなことより大事なのは、二人が旅している途中で(つまりは、ぼくたちが生きてる過程の中で)出会うものの何がリアルで何がアンリアルなのかっていうことじゃないの?

『真夜中の弥次さん喜多さん』の真髄はそこじゃないのかな? と思うわけですよぼくは。

そもそも古今東西、男二人が主人公のロードムービーなんて、はっきりそうとは描いてなくても、たいていそれっぽくするのが常道。『スケアウロウ』にしても『真夜中のカーボーイ』(←もしかして、しりあがり寿さん、これを意識してるのかな?)にしてもね。

だから、この作品の設定自体は目新しいものじゃないし、さほど衝撃的なものでもないのだ。

おそらく「自分探し」であるというテーマも、思いっきり“おなじみ”のものだ。

ただ、その表現の仕方が新しくて深いから感銘を覚えるわけで。



と散々不満を述べてきたけれども、すごい好きなところもいっぱいある。

例えば、ベイベがすごくカッコ良くて(モチロンそれは「普通の基準でいうカッコ良さ」じゃなく、クドカンワールド的な「バカカッコ良さ」)満足した。

弥次さんがバカカッコ良く描かれてるってのと、ベイベ本人がビジュアル的にもキャラ的にもカッコいいのと両方。

七之助も、おそらく現在の日本の芸能界で最も喜多八役にふさわしい役者だと思った。ビジュアル、個性、演技力全ての点において。

話のぶっとび加減も過不足なく表現されてたし。




←浮気者〜!(怒)



あと、原作マンガにはなかった映画ならではのウリが豪華キャスト。

それこそ「こ、これだけの役にこんなスゴい人をキャスティング?!」という、クドカンならではの“ごちそう”が味わえる。

ま、ストーリーの深さとは関係ないんですけどね(また毒かよ)

いや、映画なんだからそのメリットを活かすのは当たり前ですよ。

ただ贅沢かもしれないが、観終わって「一人ぐらいTOKIOのメンバーをカメオ出演させてほしかったな」と思いました。そんぐらいの洒落っ気がほしかったよジュ○ーちゃん。

七之助ゆかりの人が出てるだけにね(一応ナイショにしとく/笑)

DVDは絶対買うな、きっと。

そんな映画であった。





※急に暖かくなって桜が一気に満開となった本日(←何だこの枕詞は?)カウンタが「555555」を超えました。最近ちょいちょいサボってるのに読みにきてくださり、本当にありがとうございます。次の目標は「567890」だぁ!(中途半端・・・)


ておどる 【2006年以降に書いた日記はこちら】てくてくミーハー道場