Kin-SMA放言
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去年の『太閤記 サルと呼ばれた男』とスタッフがほぼ同じということで、そういう覚悟(何の?)で観た『徳川綱吉 イヌと呼ばれた男』
メイキングまではちょっと辿り着きませんでしたが、本編はしっかりと拝見いたしました。
正直観始めて30分ぐらいは「あっちゃー、やっぱりこのノリ?」とむずむず。
ぼくはさほど時代考証とかうるさい方ではないんですが、でもやっぱり歌舞伎でとってもなじみの深い元禄時代のお話なので、出てくる人たちの立ち方とか歩き方とか、女性のお化粧(これはぁ、当時の通りにしたら現代の女優さんたちが可哀相すぎるから、多少は目をつぶるよ。だって、大河ドラマだって“女性のお化粧のウソ”はお目こぼしだもん)とかに一人でぶつぶつ言いつつも、鈴木演出の独特さには、けっこう面白さを感じた(冒頭の場面展開が『スパイダーマン』チックなとことかね)
例えば冒頭、渡良瀬川のほとりの菜の花畑にモンキチョウを飛ばせるところ。この蝶を印象的に描いておいて、大石内蔵助が切腹するシーンにも、またモンキチョウを出す。この辺、あざとさと上手さのギリギリであります。
この、「あざといけれどもちょっとヤラレた(_ _ )」演出がいくつかあった中で、最大のものはやはり、吉良邸討ち入りのシーンに吉保の息子(吉里)が生まれるシーンを重ねて、“誕生と殺戮”=“生命と死”を同画面の中で強く打ち出したところ。
ちょっとセンチメンタルにすぎるかなーと思わないでもないが、佐橋さんの音楽も綺麗だったし、印象的ないいシーンだったと思う。
あと、ぼくらなんかの世代だと「赤穂浪士事件の黒幕は柳沢吉保」という刷り込みをされてることが多いんだけど、吉保役を田辺誠一君に当てたこともスゴい意外だったし、彼の役づくりも「そういう吉保にしたの──っ?!」と、かなり衝撃だった。
ツヨぽんの綱吉には「またちょっと『いいひと。』入ってるんだろうなー・・・」と先入観があったわけだけど、その側近で「綱吉時代の悪政」を全て陰で操っていたなどとも評価されている吉保を、あんな朴訥な青年にしたってことに、むちゃくちゃ意表をつかれた。そういう意味では、大石内蔵助を堤真一君にした以上の“飛び道具”だったと思う。
しかも、吉保をああいう風に描いたことで、西村雅彦さん演ずる堀田正俊がすげー悪役になってたというおまけ付き。
製作陣、スゴすぎ(笑←とりあえず褒め言葉)
さて、草なぎ剛の綱吉像。
まず、今までにない綱吉像であったことは間違いない(良い意味でも、悪い意味でも)
これまた最近の日本人の一般的な印象では、大河ドラマ『元禄撩乱』であのショーケン(萩原健一)が演じたっつーこともあり、むしろ今回、浅野内匠頭を演じた陣内孝則のあの“ノリ”のイメージが圧倒的だろう。
内匠頭も綱吉も、どうも今で言う精神疲弊疾患ではなかったかなんて考察する説が、まことしやかに成立してるしね。
実際はどうだったかなんて、分かんないわけだけどさ。
当時の文献に書いてあったとしても、それを書いた人の主観がどっち方向に入ってるかも定かじゃないしさ。
だから、綱吉はおそらくはショーケン的性格(←わざと誤謬的表現)だったことには違いないとは思うんだけど、本日ツヨぽんが演じたような人じゃ絶対になかったという確実な証拠もないわけだ(そりゃ、死ぬ前の大石とサシで話をしたとかいう、あまりにもウソなエピソードは別だよ)
学問好きだったことは確かだし、殺生を嫌ったことも間違いないだろう。少なくともバカではなかったと思う(世の中を大きく見られていたかはともかく)
そんな中、すごく面白いなと感じたのは、ツヨぽんの猫背(褒めてます)
この、強大な権力で日本を支配している人のものとはとても思えない“猫背”が、「草なぎ綱吉」の独特の存在感を出していた。
この人は、“支配者”なのではなく“為政者”にすぎないのだ。権力を恣にするために将軍になったのではなく、庶民の幸せこそが自分の幸せと、のほほんとした(←褒めてます)希望を持って「幕府の長」の座についたのである。
・・・やっぱ「いいひと。」だったか(−−;)
でも、江戸に上った直後のしまりのないふやけた綱吉が、松子に江戸の町の真実の姿を教えられ、そして赤穂浪士事件が起きる前後までの間に、どんどん顔つきがしまって行って、草なぎ剛オハコの何とも言えぬ慈悲深く思慮深い面持ちに変化して行く様子は、いつもながら圧巻だった。
結論としては昨年の『サルと呼ばれた男』に続く年末超変化球SF時代劇第2弾に極まった印象だったが、この退屈しない演出に惹かれて全部観た中高生の皆さん(←何故限定?)、これで興味を持ったら是非とも「現在までのところで分かっている史実」をきちんと勉強して、日本史でいい点を取っていただきたい。決してこれを鵜呑みにしないように(するかよ!)←いや、わかんないよ(体験者談(^^ゞ)
というようなわけで、今日もきんきっずネタは仕入れてないのだけど。(困った時の『どんなもんヤ!』は?)
それより留守中の『正直しんどいスペシャル』と『新堂本兄弟拡大版』をさー、まだ観てないのよ(T_T)
『X'smap』も観てないのよ(−−;)
ぐずぐずしてると年が明けちゃうよ(T△T)
明日(29日)から職場も年末年始の休業期間に入りますし、色々とその(言い訳すんな)
Love Fighterも、大阪の初日が終わったら、いきなり更新サボるし(`へ′)2日目のこと書け〜!
じゃあぼくが代わりに書こう(←何だと?)
そうです。白状します。ぼく、大阪2daysにも行きました(^^ゞ うへへへ
楽曲に関する感想は、東京の公演が全て終わってからサイトの方でまとめます。
MCレポは当日の日記に後日書き込みます。
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