Kin-SMA放言
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2003年03月16日(日) |
夜叉ヶ池のお雪様は、激しいなかにお床しい |
『夜叉ヶ池』初日(東京グローブ座)
家を出ようとした時に、暖かい雨が早咲きの桜を濡らし始めていた。
傘が嫌いなぼくは、酸性雨の恐怖をものともせず、ノー傘で出発。グローブ座に着いた頃には、すっかり本降りになっていたが、今日の日記のタイトルのセリフを『天守物語』の富姫を気どりつつ口ずさみ、すっかり花組&鏡花モードに。
初演は12年も前だったとは、驚き桃の木。つい2、3年前ぐらいの感じでいた。
演出は、その初演&再演時と大きな変化はない。マーク・ゴールドバーグの「QUEEN OF SWORDS」を耳にしたとたん(サントリーローヤルのCMで話題になったあの曲。もう知らない人もいるかも・・・)、すっかりあの頃にターイム・トリーップvvv!
この話には、人間と妖怪が違和感なく同居しているが、さらに「人間」が「まともなの」と「変なの」に分かれている。その「まともな人間」チームが、今回参加のお三人。他は花組役者連中で固められた。
客演(グローブ座のコンセプトで言えば、花組の方が“客演”なんだろうな・・・たぶん)の三人と花組チームとの演技の温度差が、実は一番心配だったのだが、最初から温度差のある役どころだったので(それが狙いか!←いやそんな)、その辺は危惧したほどではなかった。
では、特に印象に残った役者に関してちょっとずつ。
オカケン(岡本健一)・・・彼に関しては、何の心配もしていなかった。既に年齢的にも、山沢学円を演じるにふさわしい感じになっているし。
お堅さと「おやぢ」が同居している学円を、けっこう巧みに表現していた。 やっぱり誓氏と比べてしまうのだが、遜色はなかったと思う。
終盤、晃と百合をかばって言う長いセリフにも、なかなか説得力があった。
あつくん(佐藤アツヒロ)・・・事前の座談会(『月刊ミュージカル』)なんかで、鏡花のセリフに難儀していると言っていたので、正直最強(?)に心配だった。16年間あつくんのファンやってるけど、「あつくんと鏡花」・・・夢にも思わぬ取り合わせだもんな(^^ゞ
実際のところ、まだ“習作”の域を超えていない。やっと、間違えずにしゃべることができました、程度(きついね、ファンのくせに←ファンでも、言うときは言うのだ)
滑舌は決して悪くはないのだが、つい早口になってしまって、萩原晃が学円に、どうして自分が鐘守になってしまったのかを語ってきかせるところは、ほとんど聞きとれなかった。鏡花を読まずに、まっさらで観に行った人に、「話分かった?」と訊いてみたい。
そして、晃の名ゼリフ、
「茨の路は負(おぶ)って通る」
これ、二回言います。二回言う意味を、しっかり表現してほしい。がんばれ、あつくん。なんだかんだ言って、ぼくは、あつくんは表現者として優秀だと思っているんだから(唄はともかく←こらっ)
第一、美しいってだけで、晃として合格なんだし(おいおい)←つうか、武蔵屋(水下きよし=初演、再演の晃)の立場はっ?!
松本莉緒・・・美しいってだけで合格といえば、百合こそその典型。見事に大合格。セリフも懸念していたほどひどくなかった。
だって、姫川亜弓だもんな(≧∇≦)←ネタ古っ!
いや、正直言って、テレビドラマ(『太陽の季節』含む)での莉緒ちゃんは、「・・・」だったから、期待してなかったんよ。でも良い方に裏切られた。
どこのシーンか忘れたが、ちょっとふり返って学円を見たときの目が、ほんとに美しコワくて、「蛇女?!」みたいだった(←褒めてる)
この三人に襲いかかる(^^;)ホントの妖怪のような(^^;)花組役者連中に関しては、本日は特に言うことなし。
あっ、一つだけキツいこと言お。
劇中で、伊予屋(桂憲一)が、
「今が、一番危ない時間帯なんだ。岡本君もあっくんも莉緒ちゃんも出ていない。舞台にはオレらだけ。お客さんがダレかねない」
みたいなことを言ったんだけど、
冗談じゃなく、危なかったぞ(げ)
・・・ちょっと、ダレた。花組担当のぼくでさえ、そうだったんだから、あつくん目当て、オカケン目当て、莉緒ちゃん目当てで行ったお客は、やばかったかもしれんぞ。
特に誰とは言わないが、テンションが一定のところで硬直しちゃっている役者は、気をつけるべし。疲れるから(客が)
当然また観に行くので、今日はこのくらいにしとこ。
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『出張ジェネジャン』『堂本兄弟』については、明日以降、気がむいたら。
んじゃ!
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