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2001年04月17日(火) 未知との遭遇〜衣替えSPRING〜

 また衣替えの季節。
 と、いうわけで。この間お昼にテレビで見た「衣替えのラクな押し入れになる収納技」の影響を少なからず受けた私は、例年になくはりきって衣替えに臨む意気込みでした。ところが、時期が時期というか、自分自身の状況が落ち着かないせいというか、腰を据えて衣替えする気分が湧かなかったのであります。しかし、ちょっと春めいてきたこの頃、この時期の気温にぴったりな服がない。多分、クロゼットにはり巡らされた棚の最上段にどかどかと詰め込まれた箱のどれかに、よいものが入っているはず。しかたない、衣替えだ、今日だ、今日やるぞ。おー。
 でも、どうせやるなら。私の脳裏には再びあのテレビ番組が浮かんできました。そうです、どうせやるなら、クロゼット全体をもっと使いやすく、収納しやすく変えてしまおう、とついに思い立ったのです。実に引っ越し以来の大移動。
 衣替えといっても、いつも適当にタンスにぶちこんで1時間もかからず終わりのわたしは、今日のクロゼット大改造も半日あれば当然終わると考えていました。
 甘かった。実に、甘かった。
 大改造は結局全て終わるまでに3日かかりました…。
 そして、この改造で私はクロゼットの最奥に、未知の世界を発見してしまいました…。
 クロゼットは向かって左に洋服をかけるバーがあり、洋服の下には手前に靴箱が大量に積み重なっています。その奥には扇風機が押し込まれ、その奥には、よくわからないものが大量に入っているのです。よくわからないものを全て出し、一番奥に放り込まれていた白い空箱を手にした時、私は異変に気付きました。
「あ…半分から黒いドット柄になってる」
 もちろんドット柄ではありません。そんな可愛いもんじゃありません。これは…そう、カビです!
「ぎゃ〜!」
 と、いうことは…もちろん…
「……」
 や、やはり…隅に、しかも床一面に、黒いカビと白いカビがコロニーをいくつもいくつも作っていました。コロニー、なんてかわいらしい響きでしょう。しかしかわいくありません!コロニーはシャーレの中だけで十分です!
 わたしの脳裏には、再びある場面が浮かびました。
 ここに引っ越して来る前の家で、わたしは部屋の押し入れのトビラを外して収納棚代わりに使っていました。やはりこの時も、下段の奥の方は未知の世界でした。
 ある日、その未知の世界から何か聞こえてきます。
 カサ、カサ…
 明らかになんらかの生命体が存在しているのは間違いがないようです。
 手近なところにあったバスケットボールを、ふいにどかしたのが未知との遭遇でした。
 びよ〜ん びよ〜ん
「ぎゃ〜〜〜〜〜っ!」
 押し入れはカマドウマの夫婦の愛の巣だったのです。こ、これは失礼しました!いやそうじゃない、でてってくれ!
 そう思えば、何も音をたてず、隅っこの暗いところで控えめに生活しているカビはかわいいもんです。
 ですから今日の格言はずばり、「未知は身近なところにあるものだ」そして、「未知には生命体が存在するものだ」で決まりです。
 そして「未知とはできれば、遭遇したくないものである」。
 以上、すのこを敷いて通気性をよくし、さらに炭まで置いてカビ防止につとめているみぅこむからの未知との遭遇でした。

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