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後半、関東学院大が自慢の強力FWで強引な突破を 図り始めた頃から、「あー、これはまずいんじゃないか」 そんな声がスタントあちこちから漏れ聞こえてきた。
前半を終わって点差は22-10。しかし、そのビハインドを感じさせない ほど、後半のなりふりかまわぬ関東学院の攻撃は破壊力を感じさせた。
試合終盤、もうほとんど自陣のゴール前に釘づけになりながら、 必死のデイフェンスを繰り広げるフィフティーンを見て、スタンドは 総立ちとなり声を嗄らして応援する。 負傷者続出のこの試合、当然のようにインジュアリータイムは長く、 それは「4分」という物理的な時間以上に長く感じられる時間だった。
27-22。 試合終了のホイッスル。 飛び上がる選手たち、沸きあがるスタンド。 インタビュー、表彰式、余韻は覚めやらない。
しかし、表彰式の後、スタンドは突如静まり返る。 誰しもが13年ぶりに歌われるあの歌を聞きたいがために。
グラウンドに輪が出来る。
*********************************************************** 荒ぶる吹雪の逆巻くなかに
球蹴る我等は銀塊くだく
早稲田のラグビーは斯界になびき
いざゆけ我等がラグビーワセダ
ラ ラ ワセダ ラ ラ ワセダ
ラ ラ ラ ラ ワセダ *************************************************************
10年間彼の地にいながら、一度も聞くことが出来なかったこの歌を 初めて聞くことが出来て、とても嬉しかった。 この年末年始は、どちらかといえば余りいいことが無かったけれど、 それでも今日は嬉しかった。
わずか2年で、低迷からの復活を遂げた若きカリスマ監督は 示唆に富んだことを言っていた。
「目的地に到達するにはいくつもの道がある。 そのため、ひとつの道しか知らない選手たちに さまざまなルートを示し、引き出しをいっぱい 用意することを心がけている。」
優勝、おめでとう。
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