2005年03月05日(土) |
続・アカデミー賞で演技賞を受賞する方法<Ray/レイ> |
筆者は昨年10/17の日誌で、アカデミー賞で演技賞を受賞する方法について書いた。それを映画「Ray/レイ」に当てはめて考察してみよう。
「Ray/レイ」でジェイミー・フォックスが演じるレイ・チャールズはまず全盲という身体障害者である。さらにヘロイン中毒ときた。これはアル中演技のバリエーションと言っても良いだろう。完璧に受賞の法則に当てはまった役柄なのである。さらに近年のオスカーは有色人種に対しても広く門戸を開いているということを必死にアピールしているので(今年の司会、クリス・ロックの起用が良い例だ)、フォックスがアフリカ系アメリカ人であるというハンディキャップ(と敢えて書く)も有利に働いたことは否定出来まい。だから彼の受賞は獲るべき人が当たり前のように獲ったと言えるだろう。
今年の年末にはロブ・マーシャル期待の新作「SAYURI」(原題Memoirs of a Geisha)の公開が控えているのでチャン・ツィイー、コン・リー、渡辺謙、役所広司などアジア勢(黄色人種)が来年のオスカーで沢山ノミネートされることを期待したい。
「Ray/レイ」の映画としての評価はB+である。非常に良くできた音楽映画。大人になってからのレイの旅路を追いながら、時折挿入される子供時代のエピソードが実に効果的で母と子の強い絆が観る者の心を打つ。
音楽もたっぷり愉しめるし、なんてったってジェイミー・フォックスはやっぱり凄い。レイ・チャールズの魂が乗り移ったかのような迫真の演技を是非ご堪能あれ。
まあ唯一の欠点といえば少々長すぎることかな。この物語を描くのに152分という上映時間は必要あるまい。
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