2004年10月17日(日) |
アカデミー賞で演技賞を受賞する方法 |
この度はシャーリーズ・セロンがアカデミー主演女優賞を受賞した「モンスター」について語る予定ではあるが、まずその前置きとしてオスカーを受賞するための鉄則について触れておこう。
まず、コメディでは非常に獲りにくいということ。古くはチャップリン、ボブ・ホープから最近ではスティーブ・マーティンやジム・キャリーまで、多くの名コメディアンたちが受賞するチャンスがない。オスカーの演技賞を受賞するためにはまず社会的問題意識のある深刻な映画に出演することが手っ取り早い近道である。
それから従来よりオスカーを受賞しやすい役を確保するということも大切だ。具体例を挙げよう。
・アル中…「失われた週末」のレイ・ミランド、「リービング・ラスベガス」のニコラス・ケイジなど
・娼婦…「バターフィールド8」のエリザベス・テイラー、「コールガール」のジェーン・フォンダ、「誘惑のアフロディーテ」のミラ・ソルビーノなど
・身体障害者…「奇跡の人」のパティ・デューク、「マイ・レフトフット」のダニエル・デイ・ルイス、「セント・オブ・ウーマン」のアル・パチーノ、「ピアノ・レッスン」のホリー・ハンター、「愛は静けさの中に」のマリー・マリトン(この人は本物の聾唖者)など
・精神障害者…「レインマン」のダスティン・ホフマン、「フォレスト・ガンプ」のトム・ハンクスなど
・性格異常者、犯罪者…「ミザリー」のキャシー・ベイツ、「羊たちの沈黙」のアンソニー・ホプキンスなど
・同性愛者…「蜘蛛女のキス」のウイリアム・ハート、「フィラデルフィア」のトム・ハンクスなど
つまりフツーの人を演じたのでは目立たないし、なかなかオスカーは獲れないということだ。突出した"熱演"こそ人の目を惹き、票を集めやすい。
こうやって見ていくと「モンスター」でセロンが演じたのは、正にアカデミー賞を受賞するためにあるような役である。「同性愛者」で「犯罪者」そして「娼婦」と三拍子揃っているからである。
長くなりそうなので続きは後日。乞うご期待。
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