エンターテイメント日誌

2004年08月18日(水) <シュレック2>は第1作を超えたのか?

お伽噺の世界では最後に結ばれて幸せになれるのは美男美女ばかりで、例えば「美女と野獣」にしてもどうしてふたりはそのままの姿では幸せになれないのか?何故野獣は最後に王子に変身する必要があるのか?人間の価値は外見ではなく、その心にあるのだというのが主題なのではないのか?と、従来の童話に対して異議を唱える姿勢=反骨精神にこそ映画「シュレック」の面白さはあったのだと想う。技術的には素晴らしかったけれど、物語展開が凡庸だったピクサーの「モンスターズ・インク」を抑えて第一回アカデミー賞長編アニメーション部門を受賞できたのも、その型破りなユニークさが評価されたからなのだろう。

しかし「シュレック2」はどうか?確かにプロットはよく練られていて退屈はしないのだが、残念ながら筆者には前作の二番煎じにしか想えなかった。結局「シュレック2」の主題も<人は見かけだけじゃない、心なんだ。>という、前作と大同小異のことを言っているに過ぎない。だからこの映画の評価はB-である。

新キャラクターの<長靴をはいた猫>は秀逸。ディズニー作品のキャラクターのパロディ(虐待?)も前作より過激さが増していて楽しい。アイズナー会長と喧嘩してディズニーを追い出された製作総指揮ジェフリー・カッツェンバーグの積年の恨みがこめられており、しゃれにならない迫力がある。

しかし前に述べた理由により、「シュレック2」が今度のアカデミー賞受賞で受賞するのは難しいだろう。「シュレック」は3作目、4作目も企画されているらしいがマンネリ化は避けられそうもない。

音楽の出来の悪さも気になった。良く言えばバラエティに富んでいるが、悪く言えば統一感がなく散漫。これは往年のディズニー作品の方に一日の長がある。


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雅哉 [MAIL] [HOMEPAGE]