エンターテイメント日誌

2003年03月14日(金) 映画、落ち穂拾い。

今回は既に観ていながら、この日誌に取り上げていなかった新作のレビューをさらりと。

「007/ダイ・アナザー・デイ」
まあ、肩の力を抜いてたまにはこういう毒にも薬にもならない能天気な娯楽作も痛快で、暇つぶしに宜しい。007の前作の出来は今一つだったが、今回は展開も早く、アクションも派手で観ていて飽きない。アカデミー主演女優賞を獲ったハル・ベリーがボンド・ガールというのも贅沢で大変結構。彼女はスタイル抜群だし、セクシー・ショットも出し惜しみすることなく披露してくれる。その潔さが気持ち良い。特にクライマックス、女同士の対決の場面でなんの必然性もなくふたりのボンド・ガールが半裸で戦ってくれるサービス精神には、このシリーズお約束とはいえ、笑えた。それからゴールデン・ラズベリー賞の「最低主題歌賞」にノミネートされたマドンナの唄にも大笑い。しかしオープニングのタイトル・バックがCGになったのはさすがに時代の変化を感じさせたなぁ。

「呪怨」
この和製恐怖映画には大いに期待したのだが、それに応えてもらえなくて落胆した。これならチープなオリジナル・ビデオ(OV)版の方が遥かに怖い。奥菜恵とか伊東美咲など有名どころを今回起用して、逆に余りエゲツナイ描写が出来なくなって、自由さを失った印象がある。前作では俊雄くんや伽椰子が何故人々を襲うのか、その理由が分からないから一層怖かったのに、今回は下手な理由説明がついてかえって興ざめだ。それから清水監督のハッタリを噛ますパターンが途中で尽きてしまって、映画の後半になるとそのショック演出がどう来るかこちらに見え見えで、正直退屈してしまった。OV版を未見の方はそちらの方を強くお勧めする。ちなみに映画版はOV版のリメイクではなくて、両者のエピソードは重複せず上手く絡み合っているのでその点は心配ご無用。清水監督は「死霊のはらわた」や「スパイダーマン」のサム・ライミ監督に認められてこの「呪怨」リメイクでのハリウッド・デビューも決まったが、こんなワン・パターン演出しか出来ないのなら期待薄だ。ただし、毎回美少女を沢山集めてくる手腕にはほとほと感心するのだが(笑)。

「猟奇的な彼女」
これは断然ヒロイン映画である。だから如何に主演の青年が情けなくて、男らしくなくてもO.K.なのだ。ヒロインである、チョン・ジヒョンが最高にキュートで魅力的だから後は全てを許す。え?ご都合主義?気にしない、気にしない。だって可愛いんだから。それで解決。

「JSA」や「春の日は過ぎゆく」で有名な<酸素のような女>の異名を持つ韓国女優イ・ヨンエは、もう写真を見ただけで息を呑むほどの絶世の美女だが、このチョン・ジヒョンは静止画よりもむしろ動いている姿の方が遥かにチャーミング。

韓国映画はいまだにメロドラマが人気があって、たとえばイ・ヨンエの「ラスト・プレゼント」なんて、おいおい今どき吉永小百合の「愛と死の記憶」か「愛と死をみつめて」みたいな難病ものかよ〜、30年遅れてるんだよ!と突っ込みを入れたくなることがあるのだが、その点この「猟奇的な彼女」はメロドラマながらもひねりが効いていて、すこぶる面白かった。ドリームワークスが版権を買ったらしいが、ハリウッドでリメイクするなら主演はリーズ・ウィザースプーンあたりだろうか?


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雅哉 [MAIL] [HOMEPAGE]