2002年03月01日(金) |
期待はずれだった<あの>幻想映画 |
「ハリー・ポッターと賢者の石」に並ぶファンタジー巨編の超話題作THE LORD OF THE RINGS(指輪物語)を一足お先に先行オールナイトで観た。アカデミー賞に作品賞監督賞を含め13部門の最多ノミネート、そしてハリポタと両方観た観客がこぞって「指輪物語の方が断然良い。」と絶賛しているとの話が伝わり、期待もいやが上にでも盛り上がった。実際日本での評価もすこぶる高く、この映画を悪く書いている批評は今までにお目に掛かったことがない。ところが・・・である。
観終わった後、期待はずれの失望感に全身が満たされ、ガックリと肩を落とした。確かに特撮の出来は見事の一言である。特に最新のCGを駆使したモブ・シーン(群集場面)が素晴らしく、その大迫力に圧倒される。ニュージーランドの雄大なロケーションを生かした撮影も美しい。洗練された大規模な美術装置もしかり。印象的な合唱を駆使したハワード・ショアの音楽は彼のベストと太鼓判を押せる仕上がりで、今年のオスカー受賞も間違いないだろう(実のところ僕は「ハリポタ」「A.I.」で今年ノミネートされているジョン・ウイリアムズの熱烈なファンなのだけれど)。
しかしそれだけなんだよね、この映画の魅力は。物語はなるほどワーグナーの楽劇「ニーベルングの指輪」と根っこが一緒で、現在のファンタジー小説やRPG(ロール・プレイング・ゲーム)の原点になったというのはよく分かるんだけれど、結構単調な展開で、次から次に起こる危機また危機の羅列に段々途中で飽いてきてしまう。仲間のうち誰が死ぬのか、展開を見れば話半ばで大体読めてしまうし。大体たった9人の仲間だけであれだけ沢山の敵に拮抗できるというのが、いかにも作り話で胡散臭い。いくらファンタジーでも虚構の中のリアリティーというものが必要なのではないだろうか?それから主人公とその友達のホビット族が鬱陶しい。へまばっかりして自ら危機を呼び寄せている所なんかまるでSWエピソード1のジャージャービンクスみたい(^^;。全然強くないし、他の人の足を引っ張っているばかりに見える。要するにキャラクターに魅力がないのである。これは致命的な欠陥であると想う。上映時間3時間も長いなあ。ハリポタの2時間半というのが如何にコンパクトにまとめ上げられていたかを痛感させられた。
それにしても笑ったのがリブ・タイラーって馬面だなって事(^^;。あんな間の抜けた顔の女優の何処に、監督は魅力を感じたのだろう?
結局僕の結論としては意外なことにも映画的に「ハリー・ポッター」の方が断然面白く、それぞれの登場人物たちもハリポタの方が生き生きと描かれていたと考えるのだ。
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