東京の片隅から
目次きのうあした


2018年12月17日(月) 最後のひとり

NHKスペシャル「大アマゾン」シリーズで「イゾラド」という文明非接触先住民族(の総称)について放送していて、打ちのめされている。

彼らを「保護」した場所はもう森が切り開かれ牧場になっている。そして「入植者」はそのことについて「これで土地が自分たちのものになると思った」と平然と語る。
彼らにとっては「イゾラド」はただの邪魔者で、人ですらないのだろうと思う。

言語学者が30年言葉を研究していても800語しかわからない、「発見」された時点で既に二人しかいなかった部族。
「アウラ」と呼ばれている彼はその部族の最後の独りだ。彼と世界を共有できるものはいない。
言葉も文化も概念も違う世界にたった一人というのは想像を絶する。
こんなに見ていて苦しい番組は久しぶりだった。

ライトノベルなどで異世界に転生/転移する物語があるが、大体はいきなり言葉が通じるし主人公の元いた世界の方が科学技術が進んでいるので強者になる。しかし実態はこういうことなのだろう。


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