東京の片隅から
目次きのうあした


2018年06月18日(月) うた

今日の羽化は1匹。

ロックバンドの歌詞が物議を醸していた件。
彼のプロフィールを見ると、幼少期〜小学校中学年までは海外暮らし、その後帰国して進学校〜有名大学と、割とエリートコースを歩んでいるので、偏差値は高いと思われる。んだけど。

歌詞を読んだけど、背伸びして身についていない言葉を使ったなぁ、という印象が強い。
他の曲の歌詞も読んでみたけど、覚えたてのカッコイイ言葉を並べた小中学生の作文みたいだった。練ってないなぁという感想。浅い。

すぐに謝ったのも浅い。
東日本大震災などをイメージしたと言い訳していたけど、あのときの風景は、テレビ越しで見ていた私でも言葉を失うもので、勇ましい綺麗な言葉を並べ立てて表現できるものではない。こういう歌詞しか出てこないんだったら、歌わない方がいい。
実際にはばれちゃったから撤回するくらいの気持ちなんだろう。
「日本」だの「日本人」だのをやたらと強調するが、では、彼の考える「日本」はどのような姿なのか。
彼は近現代日本史をきちんと学んでこなかったんだろう。学校で習ったといっても、彼にとっては年号や人名はただ暗記するもので「何があったか」は学んでいないのだろう。普通に考えても他国にいきなり要求を突きつけて断られると兵隊を送り、自己正当化する行為そのものに何の理もないことはわかるだろう。(ここまで書いて、DV加害者の自己正当化と一緒じゃないか、と思った)

勇ましいカッコイイ言葉で送り出した結果、何があったのか。身内に戦争の記憶を訊いたこともたぶんないだろう。彼は新宿のガード下で檄文と旭日旗を張った下にカンカラと義足を横に置いて道行く人をにらみつけながら座す老人も見たことないだろう。あの視線は一生忘れられない。


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