東京の片隅から
目次きのうあした


2018年02月28日(水) 女の子だって暴れたい!

プリキュアシリーズを立ち上げた人の話を読んだ。
途中からアニメ畑に入った人らしく、最初モデルにしたのは「トミーとマツ」や「ダーティーハリー」などの実写ものだったらしく、だからこそのあのライバルじゃないバディ感なんだろうなぁと納得。
「男だから女だから」はなしにすることなど、男女差は描かないように意識したとのこと。

プリキュアシリーズはこどもが見ているのでここ5年くらいは見ている。男性向けではあったけど「ダーティーペア」に世界観が近いかなぁという印象は見始めた当初からあった。
少女が変身して闘う作品として自分が思い浮かべるのはセーラームーンだけど、あれは闘うヒロインものではあったけどまだ「守られるお姫様」を引きずっていた。プリキュアシリーズはそれを踏み越えている。
あの世界の中では女の子も物理で闘うし、男子は基本的にお飾り(苦笑)恋愛ごとも片思い止まり。
一般社会で中学2年生ってもっとませているから、実際と比べるとちょっと幼いのかもしれないが、就学前のこどもに見せるには、性別未分化な「こども」の状態がふさわしいんだろうな、と思う。

あと、制作側の意図をはっきり感じるのは、大人の女性の描き方。
お母さんだったら、専業主婦のこともあるけど、自営業だったり果ては仕事で海外単身赴任中だったり、働いているお母さんの方が多い。こどもは寂しがったりもするけど、仕事をしているお母さんを否定はしない。主人公たちの将来の夢も科学者だったり医者だったりモデルだったり様々。
お母さんだから専業主婦、女子だから文系じゃなくて、何になってもいいというロールモデルを示しているのはいいなぁと思う。

プリキュアに限らず、戦隊ものにせよ仮面ライダーにせよ、未就学児向けの番組は比較的色々考えられてメッセージが練り込まれていると思う。NHKEテレの「おかあさんといっしょ」の中のコーナー「ともだちはちにん」でも、ガキ大将タイプの女子や一人で本を読むのが好きな男子が「ともだち」として認知されていたりして、比較的目配りされている印象がある。
ただ、これが小学生以上向けの作品になると途端に「男の子だから/女の子だから」とか「男子がメインで女子が添え物」みたいな押しつけが始まるんだよなぁ。出てくるお母さんが専業主婦ばかりになるし。サザエさんやドラえもんやちびまる子ちゃんのように明らかに原作が古い場合はともかく、最近の妖怪ウォッチまでそうだもんなぁ。セーラームーンからプリキュアまで一世代かかったことを考えると、うちのこどもが親になる頃にならないと解決しないんだろうなぁ、と思う。先は長い。


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