東京の片隅から
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2017年02月26日(日) |
あのころの未来にいま僕は立ってるのかな |
スガシカオのデビュー20周年記念?ライヴ、スガフェスのアコースティックスペシャル。
ちょうど20年前、彼はデビューした。 私が彼を初めて見たのはその翌日、ライヴのオープニングアクトとして、だった。 「どうも〜スガシカオで〜す。みなさん山崎まさよしくんやカーネーションを見に来たと思うんですけど、ちゃっちゃとやって引っ込みますのでちょっとの間よろしく〜」とステージに現れた。 「僕は昨日デビューしたんですけど(会場拍手)あ、ありがとうございます(←笑顔)デビュー 曲が「ヒットチャートをかけぬけろ」っていうんですけど、山崎君にギターを弾いてもらったん ですけど、今日も弾いてよっていったらあっさり断わられちゃいました(笑)」 結構歳はいってそうだが、いかんせん目深にかぶったチューリップハットのせいで顔が見えない。ちょっと胡散臭い。 変な声。新人なのに妙に達者なしゃべり。チケットを見ると、変な名前「スガ シカオ」。 変な音。ギターのコードとメロディーラインが全然合っていない。でもメロディーはきれい。 歌詞が結構いいかも・・・。 「ヒットチャートをかけぬけろ」ってかけぬけたらヤバいだろ、と思わずツッコミを入れたくなる。 彼は喋りでも会場を沸かせ、4曲ほど歌うとさらっと引っ込んでいった。 ここまで引っかかるとはそのときは思わなかった。 引っかかったのは深夜テレビのオープニングで女性コーラスとハモりつつささやく歌声、ヤバい歌詞。「SWEET BABY, half」。 本格的にハマったのは、一生懸命アンテナを伸ばして聴いていた札幌のAMラジオ。「ドキドキしちゃう」。 エグい歌詞、からみつく音。でもエロティックというよりは、もっと必死な感じがした。 言葉の熱と裏腹の冷めた視線。時々覗く子供の姿。 覚えのある感情をどうしてこの人は歌にできるんだろう。 今や彼の音楽は好き嫌いを通り越して自分の血肉になってしまっている。
会場のアンフィシアターはもともとシルク・ドゥ・ソレイユが常設公演していたところなので、映画館のような椅子で(ドリンクホルダーがある!)、ステージもとても見やすい。 なによりも20年ファンをやっていて初めて3列目という良席。というか他の人でもこんな前で見たことないよ・・・!(発足年からファンクラブに入っている山崎まさよしでも、だ。たぶん。) オープニングアクトは森広隆君。デビューの時にスガさんがラジオで褒めていたような記憶がある。黒いリズム、ホーンの口真似も上手い。 ゲストその1、斉藤和義。「ずっと好きだった」から。途中、「Progress」の弾き語り。難しいとぼやきながらもサビが気持ちいいのでもう1回、と歌う(笑)シカオちゃんと最初にあったときは何かの対談で、名前を見てどこで切るのかわからなかった、と(笑) ゲストその2、トータス松本。「笑えれば」「サムライソウル」など。拍手や歓声からすると、ゲスト目当てのお客さんの中では一番ファンの人数が多かったような気がする。カバーはまさかの「午後のパレード」サビのキーが高くて歌えない、とその手前まで。上手い下手を超えてとにかく「変」の一言。何だろうすごいものを見てしまった(褒めてます)最後は何故か「クリアアサヒ」のCM曲で締める(笑) ゲストその3、浜崎貴史。アルコールCMで対抗したのか?「ウイスキーはお好きでしょ」から。「夜空ノムコウ」のサビだけ自分の曲の前後に挟み込んで歌ってくれる。本当は歌うつもりはなかったんだけど、今日それぞれの楽屋を覗いたら斉藤君も松本君も一生懸命カバーの練習をしてるから、俺も、とのこと。シカオちゃんとの初対面は友達の結婚式だったそう。途中でシカオちゃんを呼び込んで「幸せになるように」。これも深夜ラジオでシカオちゃんが熱く語っていたなぁ、と思い出す。
そしてホスト、スガシカオ。「バクダンジュース」から。逆カバーしたのが「サヨナラcolor」ウクレレで「ハナレグミの曲です」と言っていたけど、最初はsuper butter dogだよシカオちゃん・・・。 久しぶりにライヴを見たのだけど、今日帰りに死んでも後悔しないくらい嬉しい、とか、ここまで嬉しさをオープンにするのも珍しいような(それとも独立以降はこういう感じなのか)、不思議な感じ。
アンコールはみんなでそれぞれの持ち歌をみんなで歌う。「歩いて帰ろう」「バンザイ」。 最後はやっぱり「勝手にしやがれ」。今回のゲストはほぼ同い年。以前からイヴェントを一緒にやったりしている。そのせいか斜に構えたところのあるシカオちゃんが素直に楽しそうで、見ているこちらも楽しい。 ダブルアンコールでは弾き語り「黄金の月」「ヒットチャートをかけぬけろ」。
初期曲をやってくれたのが嬉しかった。あなたの作る音楽は、確かに私の胸に届いていますよ。
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